投資信託の利益確定の判断方法まとめ
この記事を読んでいる方の中には、「利益確定のタイミングがわからない」「いつ売ればいいのか迷ってしまう」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
投資信託でせっかく利益が出たのに、売るタイミングを逃して結局損してしまったという経験がある方もいるかもしれません。
投資信託を売却するタイミングで悩んだとき、いったいどうすれば利益を出し、資産形成に成功できるのでしょうか?
この記事では、投資信託の利益確定のタイミングについて、以下のような内容を解説します。
- 利益確定のタイミングを見極める4つの方法
- 投資信託を運用する際の注意点
- 利益確定のタイミングで失敗しないためのポイント
投資信託の利益確定のタイミングを理解し、資産運用を成功させたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
投資信託の利益確定はいつするべき?売却のタイミングと運用ポイントを解説
いつ投資信託で利益確定をするべきかは、資産運用をするうえでの大きなテーマです。
悩むことも多いこのテーマですが、実は利益確定すべきタイミングはある程度決まっています。
ここでは投資信託を利益確定するべき2つのタイミングを紹介します。
運用の目標や目的を達成したとき
投資信託に投資する際は、目標金額を設定することが多いので、その金額を達成したら、一度利益確定を検討するのも良いでしょう。
たとえば、子どもの教育資金やマイホームの購入資金など、投資の目的を達成できるまでお金が貯まったら、利益確定のタイミングです。
運用成績が良く、目標としていた金額に達したら、利益確定を考えてみましょう。
目標金額で売却すれば、その後、相場が下がっても影響を受けないので安心です。
つまり、投資信託に投資する際は、目標金額を設定することが一般的です。
目標金額に到達したら、利益確定を検討するタイミングと言えるでしょう。
急に生活資金が必要となったとき
投資信託で利益確定を検討するもう一つのタイミングは、予想外に大きな金額の生活資金が必要になったときです。
具体的には以下のような状況が考えられます。
- 家族の介護や医療にお金が必要になった
- 住宅ローンの支払いが難しくなった
- 事業を始めるための資金が必要になった
こうした急な出費には、可能であれば手元にある資金で対応するのが一番です。
しかし手元に十分な資金がない場合、投資信託に利益が出ているなら、その一部を利益確定するのも一つの方法です。
ただし、投資信託を現金化すると、せっかく増やした資産が減ってしまう可能性もあります。
急な出費のときに投資信託を売ることは、有効な手段ではありますが、むやみに売るのではなく、本当に必要な場合だけ検討するようにしましょう。
最適な売却のタイミングを判断する方法
最適な売却タイミングを見極めるには、いくつかの方法があります。
ここでは、その中でも特に重要な4つの判断基準について解説します。
投資目的の時期がいつかで判断する
投資信託を売却するタイミングとして、最初に設定した目標とする時期に達した時が一つの目安になります。
例えば、老後資金の準備のために積み立てていた投資信託の場合、定年退職の時期が近づいたら、売却を検討するタイミングと言えるでしょう。
他にも「子どもの教育資金の確保」「マイホームの購入」など、具体的な目標があれば、その時が来たら利益確定を検討します。
このように、目標とする時期が来たら、売却を検討する一つの目安になります。
目標金額達成できているかで判断する
目標金額が達成できたら利益確定を検討する、という方法もあります。
例えば、「子どもの教育資金として300万円貯める」という目標のために、投資を始めたとします。
この場合、投資信託の運用が順調に進み、300万円に到達したら、一度売却して利益を確定すると必要な金額を確保できます。
目標金額を設定しておくと、利益確定する金額が明確になるため、利益確定するかどうか迷わずに済みます。
より期待できる銘柄が見つかったときに判断する
現在保有している投資信託よりも、より期待な銘柄が見つかった場合、売却を検討する価値があります。
仮に、新興国に投資する投資信託を保有しているが、今後は先進国の成長が見込まれる状況だとします。
この場合、先進国に投資する投資信託に乗り換えることで、より高いリターンが期待できる可能性があります。
新しい投資先を探すときは、次のようなポイントに注目するとよいでしょう。
- 投資信託の運用方針
- 過去の運用成績と値動き
- 信託報酬などの費用
これらの情報を総合的に分析して、今の投資信託よりも魅力的な銘柄が見つかったら、売却を検討してみるのも一つの手です。
これ以上の成長が見込めないときに判断する
保有している投資信託の将来的な成長が見込めない場合、損失を最小限に抑えるため、売却を検討することも重要です。
例えば、ある企業に投資する投資信託を保有しており、その企業の業績が悪化し株価が下落傾向にあるとします。
この場合、回復の見込みが薄いのであれば、そのまま保有していても資産が減り続ける可能性が高いため早めの売却が賢明です。
損をしているときに売るのは辛い判断ですが、早めに決断することで傷口を広げずに済みます。
保有中の投資信託について客観的に将来性を評価し、見込みが薄い場合は、早めに売却することも投資の一つとして考えましょう。
投資信託を運用する際に注意すべきポイント
投資信託を運用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 分散投資を意識する
- コツコツと積立投資する
- できるだけ長期目線で考える
それぞれのポイントについて解説していきます。
分散投資を意識する
投資信託を選ぶ際には、1つの商品に集中投資するのではなく、分散投資を意識することが大切です。
投資信託にはたくさんの種類があり、商品によって投資対象が異なります。
国内外の株式に投資する商品もあれば、債券や不動産などに投資するものもあります。
そのため、複数の投資信託を組み合わせて投資することで、特定の投資対象の価格が下落した場合でも、ほかの投資信託がダメージを軽減してくれる可能性があります。
例えば、以下の2つの投資信託を組み合わせることを考えてみましょう。
項目 | 投資対象 | 特徴 |
---|---|---|
国内株式型 | 日本の企業が発行する株式 | 国内経済の成長に連動しやすい |
海外株式型 | 海外の企業が発行する株式 | 為替変動の影響を受ける |
これら2種類の投資信託を組み合わせて投資すれば、リスクを分散できます
。国内経済が低迷した場合に海外経済が好調であれば、海外株式型投資信託で損失を小さくできるでしょう。
これはあくまで一例ですが、複数種類の投資信託を組み合わせることでリスクを軽減できます。
一種類の投資信託に資金を集中させると、価格が下落したときに大きなダメージを受けてしまいます。
複数タイプの投資信託に分散投資することは、資産運用において特定の資産への依存を減らし、リスクを軽減するための有効な手段です。
コツコツと積立投資する
投資信託で資産形成を目指すなら、一度に大きな金額を投資するよりも、毎月コツコツと積立投資をするのがおすすめです。
積立投資には、以下のようなメリットがあります。
- 少額から始められる: 毎月一定額を自動で積み立てるので、無理なく投資を続けられる。
- 価格変動リスクを抑えられる: 長期にわたって投資することで、価格の変動リスクを軽減できる。
- 値動きの影響を受けにくい: 買うタイミングが分散されるため、価格変動の影響を受けにくくなる。
積立投資は、焦らずじっくりと資産を増やしたい方に向いています。
少額からでもコツコツ積み立てていくことで、着実な資産形成を目指しましょう。
できるだけ長期目線で考える
投資信託では、長期的な視点で投資を続けることが大切です。
投資信託は長期的に保有することで、複利効果が期待でき、資産を大きく増やせる可能性が高くなります。
そのため、投資信託は少なくとも5年以上、できれば10年以上という長期的な視点で保有することをおすすめします。
投資信託に投資する方の中には、短期間で儲かることを期待してしまう人もいます。
こういう人はたいていの場合、頻繁な売買による手数料の増加や売買タイミングの失敗などにより、かえって損をしてしまいます。
また、一時的な価格の下落に惑わされて、売却したあとに価格が復活し「売らなければよかった」と後悔することも珍しくありません。
短期間で稼ごうとすると、高確率で資産運用がうまくいかなくなります。
投資信託で資産形成するためには、長期運用することで、複利の効果を上手に使うようにしましょう。
NISA口座を上手に活用する
NISA(少額投資非課税制度)は、投資信託などで得た利益に対する税金がかからない制度です。
NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があります。それぞれの枠の特徴は以下の表をご確認ください。
項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
---|---|---|
年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額(総枠) | 1,800万円 | 1,200万円 |
向いている投資対象 | 長期の積立投資 | 個別株などへの投資 |
※つみたて投資枠と成長投資枠の合計
NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能です。
そのため、つみたて投資枠でコツコツ積立投資をしながら、成長投資枠でまとまった資金を個別株に投資するといった使い方ができます。
投資信託の運用では、このようなNISA口座をうまく活用するのがおすすめです。
非課税のメリットを最大限に生かし、効率的にお金を増やしていきましょう。
※NISAを知る | 金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
投資信託を運用する際に注意すべきポイント
投資信託では利益確定のタイミングを誤ってしまうと、せっかくの利益を逃してしまったり、損失を確定させてしまったりする可能性があります。
ここでは、投資信託の利益確定に関する注意点について、詳しく説明していきましょう。
価格が下落してもあわてて売却しない
投資信託の価格が下落すると、そこからさらに下落し続けるのではないかと不安になり、慌てて売却してしまうことがよくあります。
しかし、短期的な判断で売却してしまうと、損失が確定してしまうだけでなく、その後の価格回復によって利益を得るチャンスを逃してしまいます。
こういう時は、むしろ価格が下落しても慌てずに保有し続け、値上がりを待つほうが賢明です。
例えば、ある投資信託が一時的に20%下落したとしても、落ち着いて保有し続けることを考えてみましょう。
しばらく待っている間に価格が回復すれば、損失を取り戻せるだけでなく、さらに利益を得られる可能性もあります。
投資信託は、価格が常に変動する商品です。
短期的に価格が下落しても、その後上昇に転じる可能性が十分にあります。
そのため、価格の変動に慌てすぎることなく、長期的な視点で値動きを見ることが重要です。
大暴落が起こってもすぐに利益確定しない
市場が大暴落した時、保有している投資信託を売却して損失を確定させたくなるかもしれません。しかし、大暴落時こそ冷静な判断が必要です。
歴史的に見ると、市場の大暴落は一時的な現象であることが多く、大暴落後に市場が回復し、さらに成長することも珍しくありません。
例えば、2008年のリーマンショックのような大暴落が起こったとします。
このときにパニックになり、すべての投資信託を売却してしまった場合、その後の市場回復のチャンスを逃してしまいます。
しかし、冷静になり価格回復を待てば、いずれ利益が出るときは訪れます。
したがって、投資信託の運用では、市場の短期的な変動に惑わされずに、長期的な視点を持つことが大切です。
大暴落が起きても、慌てて売却するのではなく、自分の投資方針に基づいて冷静に判断しましょう。
利益確定のタイミングで悩む場合は「お金のプロ」に相談を
投資で利益が出たら、「いつ売ればいいのか」と悩む方は多いはずです。
利益確定のタイミングは、今後の値動きによって大きく変わるため、判断が難しいものです。
「もう少し待てばもっと上がるかも」「今売らないと損してしまうかも」と、タイミングを逃してしまう方もいるでしょう。
あなたも悩んでいませんか?
そんな時は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのがおすすめです。
FPは、資産運用や保険、税金など、お金に関する幅広い知識を持つ専門家です。相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 感情に左右されない、客観的なアドバイスをもらえる。
- 金融や税金に関する専門知識に基づいた情報が得られる。
- 不安や悩みを共有し、精神的な負担を軽減できる。
このように、様々なアドバイスを受けられるため、FPに相談することでより適切な判断ができるようになるでしょう。
投資信託の運用は、必ずしも一人で抱え込む必要はありません。
専門家の力を借りることで、利益確定のタイミングをより的確に見極め、資産形成を成功させる可能性を高められます。
もし、利益確定のタイミングに迷ったら、FPなど、お金に関する専門家に相談してみましょう。
R&Cでは投資信託の運用は、お客様の状況や目標に合った最適なアドバイスを提供できるFPへの相談をおすすめしています。
投資信託の運用について不安な点や疑問点があれば、FPに相談してみるのがおすすめです。
(オンライン相談もOK)
記事のまとめ
この記事では、投資信託の利益確定のタイミングについて解説しました。
投資信託を売却するタイミングは、目標とする金額に達した時や急な出費が必要になった時など、人それぞれです。
この記事を参考に、売却のタイミングやその判断方法を知り、自分に合ったタイミングを見つけてみましょう。
利益確定のタイミングで悩んだときは、お金のプロに相談するのもおすすめです。
自分で投資信託を利益確定するタイミングを判断するのが難しければ、プロに相談するのも立派な選択です。
投資信託の売却は、将来の資産形成において重要な決断です。
この記事で紹介した情報や専門家のアドバイスを参考に、納得のいく選択をするようにしましょう。