投資信託
【初心者必見】投資信託とは?仕組みやメリット、リスクなど徹底解説
【初心者必見】投資信託とは?仕組みやメリット、リスクなど徹底解説
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投資信託とは何か?特徴を理解した上で少額ずつチャレンジしてみよう

「人生100年時代」と言われる現在、20代や30代と比較的若い方でも、将来や老後のための資産形成を考え始める人が増えています。

中でも少額から始められる投資信託に注目している人は多いのではないでしょうか。

しかし、投資信託は投資商品の一種です。

投資に馴染みがない場合は、少額からスタートできるとはいえ、「後に大きなお金が必要になるのではないか」「損をしてしまうのではないか」と不安に思うこともあるでしょう。

そんな不安を拭うため、この記事では、投資信託に関する基礎知識から具体的な仕組み、メリット、デメリットまで幅広く解説していきます。

投資信託とは

投資信託とは

投資信託とは、複数の投資家から資産を集め、その資金を投資の専門家であるファンドマネージャーが運用する金融商品です。

投資先としては、株式や債券、金融派生商品などの金融資産、あるいは不動産など幅広く取り扱いがあります。

投資信託の仕組み

投資信託は、証券会社や銀行、郵便局などの販売会社から販売されており、投資家が購入するとそのお金は信託銀行(受託会社)によって管理されます。

この時に、複数の投資家が投資信託を購入することによって集められた資産をファンドといいます。

運用会社(委託会社)は経済や金融情勢などのさまざまなデータを収集・分析し、そのファンドをどう投資するかを考え、信託銀行に投資の実行を指図をする仕組みです。

この指図を運用指図といいます。運用会社からのこの運用指図により、信託銀行は株や債券の売買を行うのです。

投資信託の運用成果(分配金)については、投資家が保有している口数に応じて投資家に支払われます。

また投資信託は元本が保証されていないため、基準価額が投資額を下回ってしまい、損失が生じることもあります。

基準価額とは

基準価額とは、投資信託の価格のことです。

投資信託の資産のうち、投資家に帰属する額を「純資産総額」といい、この純資産総額を投資信託の総口数で割ることで、一口あたりの価格が算出されます。これが基準価額です。

基準価額は毎日変動し、その変動要因としては以下のようなものがあります。

  • 資産価格の変動
  • 分配金
  • 運用コスト
  • 為替の変動

上記の要因によって、基準価額は1日に1回、計算・公表されます。そのため、上場株式のようにリアルタイムで価格が変動することはありません。

運用にかかるコスト

上記で基準価額の変動要因として「運用コスト」を紹介しました。

購入時の費用のみならず、資産の運用をいわば運用代行会社に委託するため、投資信託の保有中にも手数料が発生します。

また解約時にもコストが発生するため、購入時・保有中・解約時、の3つのタイミングでコストが発生することを覚えておきましょう。

具体的には主に以下のようなものがあります。

コストの種類 概要
購入時手数料 投資信託の購入時に販売会社に支払う手数料です。購入代金に所定の料率をかけた金額を、購入代金とは別に支払います。
信託報酬 投資信託を保有している間にかかるコストで、運用管理費用とも呼ばれます。保有額に所定の料率をかけた金額を、販売会社・運用会社・受託会社へ支払います。
信託財産留保額 解約代金に所定の料率をかけた金額を、投資信託の解約時に支払います。

上記はいずれも、商品や販売会社によっては発生しない場合もあります。

そのため、あらかじめ販売会社のホームページや目論見書などで確認し、コストができる限り抑えられたものを選ぶことが大切です。

目論見書とは

目論見書とは、わかりやすく言えば商品の説明書のようなものです。

その投資信託についての重要事項が記されています。

目論見書は2種類あり、特に重要なポイントが説明されている「交付目論見書(投資信託説明書)」と、さらに詳細な内容が記載された「請求目論見書」です。

目論見書の種類 概要
交付目論見書(投資信託説明書) 販売会社には、投資家が商品を購入する前に交付目論見書を交付することが義務付けられています。商品の投資目的や運用方針をはじめ、リスク、コストなど、投資判断において特に重要な情報が記載されています。
請求目論見書 交付目論見書よりも詳しくファンドの情報や資産管理の方法、経理状況、運用会社の情報などが記載されています。販売会社に請求するか、運用会社のホームページから確認することができます。

上記の通り、目論見書には商品の概要をはじめ、ファンドの目的や運用方針、運用におけるリスク、運用状況や実績、購入時手数料などのコストや税金がいつどれくらいかかるかなどが記載されています。

購入方法は一括投資と積立投資の2種類

購入方法は一括投資と積立投資の2種類

投資信託を購入する際には、一括投資と積立投資の2種類の購入方法を選択することができます。

一括投資がまとまった資金で一度に購入する方法であるのに対し、積立投資は定期的に一定の金額で購入する方法です。

積立投資の場合は通常、月々や四半期ごとなど定期的なスケジュールでの積み立てが行われます。

選択のポイント

どちらの方法を選択するかは、投資家の目的やライフスタイル、リスク許容度によります。

一括投資と積立投資を組み合わせて利用することも一つの方法です。

ご自身に合った購入方法、運用を選ぶためには以下を参考にしてみてください。

投資目的と期間を検討する

一括投資は一度の購入で完結するため、短期的なリターンを求める場合に向いています。

積立投資の場合は定期的に資金を積み立てていく仕組みですので、長期的な資産形成やリスクヘッジが求められる場合に適しています。

なお、投資信託は分散型のため長期的にリターンを求めていく方が、より大きな効果を得られる可能性が高いです。

これについては後ほど紹介します。

リスク許容度を考慮する

一括投資は一度の取引で市場の変動に直面しますので、市場の短期的な変動に対するリスク許容度を考慮する必要があります。

積立投資は定期的に購入額を分散するため、市場の変動に対するリスクヘッジが期待できます。

ただし、積立投資の場合は価格上昇の恩恵が一括投資に比べて少なくなりますので、ローリスクローリターンと言えるでしょう。

ETF(上場投資信託)との違い

ETF(上場投資信託)との違い

投資信託を始めようと情報収集をしている方の中には、「ETF」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ここでは、ETFと一般的な投資信託との主な違いをわかりやすく解説します。

投資信託よりもETFが向いている場合もあるため、ぜひ確認してみてください。

ETFとは

ETF(Exchange-Traded Fund)は、日本では「上場投資信託」とも呼ばれ、株式市場に上場している投資信託です。

最もわかりやすい投資信託の違いとしては、ETFの場合、個別株取引と同じようにリアルタイムで売買ができるという点です。

投資信託の場合は、1日1回定められた基準価額での売買となります。リアルタイムでの価格変動はありません。

つまり、リアルタイムの市場変動に応じて取引が行われるETFと、基準価額に基づいての取引が行われる通常の投資信託の違いを理解することが重要です。

ETFと一般的な投資信託の比較表

株式と同様に市場の価格を見ながら自分の希望する価格でリアルタイムで売買を行いたい場合は、ETFが適しているといえます。

一方、証券会社での取引に馴染みがない場合は、1日1回の基準価額で取引ができる投資信託から始めるのがおすすめです。

投資信託 ETF
販売会社 証券会社、銀行、郵便局など 証券会社
上場・非上場 非上場 上場
取引価格 1日1回算出される基準価額 リアルタイムでの市場の時価
リアルタイムでの購入 できない できる
コスト 購入時 購入時手数料 売買手数料
保有中 信託報酬
売却時 信託財産留保額 売買手数料

なお、EFTの売買手数料および投資信託の購入時手数料は販売会社によって異なります。

また保有中に発生する信託報酬は、EFTよりも一般的な投資信託の手数料水準の方が高くなることが多いです。

投資信託の4つのメリット

投資信託の4つのメリット

投資信託の仕組みについては、ここまでの解説でご理解いただけたと思います。

とはいえ、投資信託をやってみたい、気になってはいるけれど、個別投資で良いのではないかとお考えの方や、メリットを知ってから取り組みたいという方もいらっしゃるでしょう。

ここからは投資信託のメリットについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1. プロに運用を任せられる

先述した通り、投資信託は投資の専門家であるファンドマネージャーによって運用されます。

ファンドマネージャーは市場や金融商品への深い知見を持っており、なおかつ運用経験も豊富です。

市場の動向やリスクを的確に分析することができるため、投資家が初心者であっても適切な投資判断を下すことができます。

またファンドマネージャーであれば、市場状況や投資先の経営状況に応じて、ポートフォリオ(資産配分、投資先の組み合わせ)をリバランスすることも可能です。

これにより、投資先の価格変動に柔軟に対応し、ポートフォリオを最適な状態に維持します。

さらに、ファンドマネージャーは広範な市場情報を活用して、効率的な資産運用を目指します。

投資家が初心者の場合でも、リターンは最大化され、リスクは最小限に抑えられるのです。

プロによって効果的に投資が最適化されることこそ、投資信託の最大のメリットと言えるでしょう。

2. 少額から購入できる

投資信託は、数千円など少額から購入することができます。

そのため投資に対するハードルが低く、初心者や少額から投資を始めたい若い方、投資に興味があるけど大きな資金を注ぎ込むことに抵抗がある方などでも、比較的気軽に購入可能です。

投資信託は通常の株式を購入するときのように大きな資金を用意する必要がないため、投資を始めやすいでしょう。

3. 分散投資のためリスクを抑えられる

投資信託は分散投資の形態をとっています。

分散投資とは、ファンドマネージャーが投資家から集めた資産を単一の投資先に頼るのではなく、異なる種類の投資先に分散させる方法です。

異なる投資先に資産を分散することで、特定のリスクが影響を及ぼしても、他の投資先でその損失を補える可能性が生まれます。

また分散投資は異なる業界や地域に均等に投資できるため、ある業界や地域が不振に陥った場合でも、他の分野でのリターンが全体の利益を支えることが期待できるでしょう。

国内外の株式、債券そして不動産など、あらゆる資産に投資できるの点も魅力

4. 透明性が高いため、安心して投資できる

「投資信託は、投資の透明性が高い」というのは、初心者の方でも聞いたことのあるお話かもしれません。

先ほど解説した通り、投資信託の基準価額はブラインド方式が採用されているため、毎日公表されています。

さらに、投資信託は決算期ごとに監査法人などによる監査を受ける必要があるのです。金融商品取引法によって財務諸表の作成も義務付けられています。

財務諸表とは、経営・融資・投資など利害関係社に対して、1年間の企業の財務状況を報告する決算書類です。

誰もが財務諸表を閲覧できるよう、ネット上にも掲載されています。

このように、投資信託は極めて透明性が高く、投資者が自分でその商品や詳細を確認した上で購入することができます。

事前に知っておくべきリスクやデメリットとは

事前に知っておくべきリスクやデメリットとは

ここまで、投資信託とは何か、その仕組みやメリットなどについて解説してきました。

何でもそうですが、メリットがあればその側面にはデメリットやリスクがあります。

ここでは、投資信託を始める前に、事前に知っておくべきリスクやデメリット、それらに対する留意点を紹介していきます。

これらをしっかりと理解し、対策を練っているか否かで成果が変わってきますので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

元本保証ではない

投資信託の基準価額は、市場の変動に影響を受けます。

市場は景気、物価、為替相場など様々な要因によって変動するからです。

運用成績が良く、利益が上がることもあれば、購入したときよりも基準価額が値下がりしてマイナスになり、元本が損失を被る可能性もあることを覚えておきましょう。

長期に渡り、コストがかかる

先述した通り、投資信託は購入時・保有中・解約時と長期に渡ってコストがかかるものです。

信託報酬が高すぎた場合、投資の利益を減少させる可能性があります。

手数料の水準を注意深く検討し、購入する投資信託を選ぶようにしましょう。

分散投資のため、短期間でのリターンは見込めない

投資信託は分散投資の形態をとっているため、リスクも分散されるということは先程解説した通りです。

しかし、分散投資のために短期間でのリターンを見込むことが難しいという点に注意が必要です。

多数の銘柄を組み込む分散投資型の投資信託の場合、短期では値動きが小さいため、利益が出にくくなります。

短期で大きな利益を狙うなら個別の株式取引を選ぶべきですが、こちらは投資する金額も大きくなるためハイリスク・ハイリターンといえます。

また、短期での投資信託の場合、複利効果も得にくくなります。

複利効果とは、運用で得た利益をさらに投資に利用することで、利益が利益を生んで資金が増えていく効果のことです。

投資信託では、投資期間が長いほど複利効果が大きくなる傾向にありますので、短期売却よりも長期的に運用することをおすすめします。

記事まとめ

記事まとめ

この記事では、投資信託に関する基礎知識から具体的な仕組み、メリット、デメリットまで幅広く解説しました。

資産形成には様々な方法がありますので、それぞれの特徴やメリット、リスクを知ってから、自身の目的やリスク許容度に合わせた選択を行うことが重要です。

それぞれの特徴を理解した上で少額ずつチャレンジしてみることで、自分に合うものを見つけるのもひとつの手でしょう。

ABOUT ME
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。 個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動。 新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。 シニア層のお客様が多い中で資産運用だけでは本当の解決ができないと感じ、退職。 2020年、一般社団法人証券相続普及協会を設立。代表理事に就任。 終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、お客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
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