投資信託の複利効果を活かした資産運用を検討中の方必見!
投資信託への投資で大きな資産を作るうえで重要なのが、複利効果を意識した長期運用です。
複利効果を活用し10年、20年といった長い時間をかけて運用すれば、資産を着実に増やせるため、資産形成によく用いられています。
ただし、「投資信託に投資しても複利効果が感じられない」という方もいるため、しっかりとした効果を得るためにはコツを押さえた運用をする必要があります。
この記事では、複利の仕組みや単利との違い、投資信託での複利運用のコツについてお伝えします。
また、投資信託での複利運用が向いている人・向いていない人についても触れています。投資信託の複利効果を活かした資産運用を検討中の方に役立つ内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
複利とは利益を再投資する運用方法
複利とは、投資で得られた利益を元本に組み入れて再投資する運用方法です。
利益を再投資することで、その利益にも利息が付くため、時間をかけて運用することで資産を大きく増やせるのが利点です。
一方で単利は、利息を元本に組み入れず、最初の元本のまま運用する運用方法です。単利では発生した利益を一定期間ごとに受け取るため、時間が経過しても元本が増えません。
そのため、複利運用と比べると、長期間運用した際に得られる利益がかなり小さくなります。
したがって、投資信託で長期間資産運用する場合は、利益を再投資し元本を増やしながら複利運用するのがおすすめです。
複利・単利の積立シミュレーション
月1回積立投資をする場合、単利と複利ではどのくらいの差が出るのでしょうか。実際に以下の条件で積み立てた場合のシミュレーションをしてみます。
- 積立金額:月々1万円もしくは5万円
- 年利5%
- 積立期間20年間
- 税額20.315%
シミュレーション結果は以下のとおりです。
月々の積立金額 | 1万円 | 5万円 |
---|---|---|
単利の場合の資産額 | 約336万円 | 約1,680万円 |
複利の場合の資産額 | 約364万円 | 約1,822万円 |
差額 | 約28万円 | 約142万円 |
このように、20年間運用すると単利と複利では大きな差が出ることが分かります。
運用期間が短い間は、単利と複利の差はそれほど大きくありません。しかし、10年や20年という長期間運用を続けることで、その差は大きくなります。
そのため、長期間運用する予定であれば元本を受け取らずに再投資し、複利効果を活用するのが賢明といえるでしょう。
参考:【しっかり】積立合計額シミュレーション ─ 今すぐシミュレーションしてみよう! ─ 資金プランシミュレーション|知るぽると
投資信託で複利効果を得られないと感じる原因
投資信託で複利運用している人の中には、複利効果を感じられないという人もいます。複利効果を感じられない理由として、以下の3つが考えられます。
- 短期間の運用を考えている
- 成長しない商品に投資している
- 「分配金受取型」で運用している
それぞれについて詳しく解説していきます。
短期間の運用を考えている
投資信託での複利効果は、運用期間が長くなるほど大きくなります。そのため、短期間の運用では複利効果を感じられないのが当然です。
複利効果を十分に得るには、20年~30年など長期間運用し続ける必要があります。資産がなかなか増えないからと、短期間で解約してしまうと複利効果を得られなくなります。
資産形成のためには、初めから数十年間は現金化しない前提で運用をスタートする必要があります。
成長しない商品に投資している
長期間運用しても全く複利効果が感じられない場合、成長しない商品を選んで投資している可能性があります。
資産を増やすには、長期的に成長が期待できる商品を選んで投資するのが重要です。
債券中心のファンドなどは、リスクが小さい代わりに大きな成長が見込めず、投資してもなかなか資産が増えていかないでしょう。
したがって、20年や30年という長期的な視点で、成長を期待できる投資信託を選んで投資するようにしましょう。
「分配金受取型」で運用している
分配金受取型の投資信託を選んで投資している場合も、複利効果を感じにくくなります。
分配金は投資した資金の一部分が配布される仕組みなので、受け取るたびに元本が減り、複利効果を得られなくなります。
また、分配金を受け取るとその際に投資信託の基準価額が下がるので、投資している投資信託の成長の邪魔になる可能性があります。
分配金は定期的にお金を受け取れるのがメリットですが、複利効果によって資産を増やしたい場合は、分配なしの投資信託を選んだほうがよいでしょう。
投資信託の複利効果を高めるコツ3個
投資信託の複利効果を高めるには、以下の3つがあります。
- 長期計画で投資する
- 手数料を意識する
- NISA・iDeCoの非課税制度を活用する
それぞれについて詳しく解説します。
長期計画で投資する
投資信託への投資で十分な複利効果を得るには、何よりも長期計画で投資するのが大切です。
数年以下の短期投資では複利効果を得られないので、数十年単位の長期的な運用計画を立てるようにしましょう。
また、投資信託は定期的に一定額をコツコツと積立投資する「ドルコスト平均法」と相性が良いといわれています。
>少額での投資であっても、毎月積み立て投資をして元本を大きくしていくことで、複利効果によって資産を大きく増やせるでしょう。
投資ではついつい短期間で資産を大きくしたくなりがちですが、焦らずに長期目線で資産を運用するように心がけましょう。
手数料を意識する
十分な複利効果を得るには、手数料を意識するのが肝心です。運用にかかるコストが高いと元本が増えるのを邪魔してしまい、元本が増えにくくなってしまうからです。
したがって、コストの見直しを行い、収益率を向上させることが不可欠だと言えるでしょう。
具体的には投資信託に伴うコストには、以下のようなものが挙げられます。
- 購入時手数料
- 信託報酬
- 売却益や分配金にかかる税金
これらの中で購入時手数料や信託報酬は、投資信託によって異なります。
特に投資信託は投資信託を保有している間、継続して毎日運用中の資産から信託報酬が引かれるため、高額だと負担が大きくなってしまいます。
投資対象が同じような投資信託どうしでも、コストに差がある場合があります。投資対象が近い投資信託がある場合は、信託報酬が低いものを選ぶのも賢明な方法です。
コストが高額だと資産が増えにくくなってしまうので、複利効果を高めるためには、投資信託を選ぶ際に必ず確認するようにしてください。
NISA・iDeCoの非課税制度を活用する
NISA・iDeCoは投資信託への投資によって得られた利益に対して、税金がかからないのが最大のメリットです。
投資信託の利益には通常は20.315%の税金がかかりますが、NISA・iDeCoを活用すると非課税になります。
そのため、投資信託の分配金を再投資する際に、分配金が非課税になり全額を投資に充てることが可能です。
一般口座や特定口座では分配金が課税対象なので、再投資をするたびに運用額が減り、投資の効率が落ちてしまいます。
その点、NISAやiDeCoを活用することで分配金を丸ごと再投資に回すことができ、資産運用の効率が良くなり複利効果が最大化されます。
複利効果を最大限活用するためにも、NISAやiDeCoの口座を開設して、ぜひ有効活用しましょう。
投資信託での複利運用に向いている人・いない人
投資信託での複利運用は向いている人と向いていない人がいます。
どういった人が向いているのか、そしてどういった人が向いていないのかについて解説します。
向いている人
投資信託での複利運用に向いているのは以下のような人です。
- 複利効果で資産を形成したい人
- 資産運用の知識があまりない方
- 少額から投資を始めたい方
それぞれについて詳しく解説します。
複利効果で資産を形成したい人
なんといっても複利効果で資産を形成したい人には投資信託が向いています。
コツコツとお金を積み立て投資したり、分配金を再投資したりすることで、元本を増やしながら運用できるので、複利効果により時間の経過とともに資産を大きくできます。
複利の効果を実感できるまでには時間がかかりますが、10年や20年といったスパンで、コツコツ運用することで資産を大きく育てることができるでしょう。
資産運用の知識があまりない方
資産運用の知識があまりない方にも、投資信託はおすすめできます。投資信託は投資家の資金をプロが代わりに運用する商品なので、投資の知識がなくても資産運用に取り組みやすいためです。
個別株式に投資する場合、銘柄選択や売買を自分で行う必要があり、様々な知識やスキルが必要となります。
その点、投資信託であれば専門家がこれらを代わりに行ってくれるので、投資の経験がない方でも資産形成できる可能性があるでしょう。
少額から投資を始めたい方
投資信託は少額から投資を始められるので、少額から投資を始めてみたい人にもおすすめできます。
投資はまとまった資金がある人がするもの、というイメージがあるかもしれませんが、投資信託の場合はそうでもありません。
ネット証券では100円から投資信託を購入できる場合もあり、資金が豊富ではなくても気軽にはじめられるからです。
たとえば、SBI証券や楽天証券といった大手証券会社では、月々100円から投資信託の定期購入を気軽にスタートできます。
「いきなりまとまった資金を投入するのは怖い。」「まずは少額から始めてみたい。」という方には投資信託はぴったりといえるでしょう。
向いていない人
一方、投資信託が向いていないのは以下のような人です。
- 損をするのが絶対に嫌な人
- 短期で大きな利益を得たい人
それぞれについて解説します。
損をするのが絶対に嫌な人
投資信託への投資では、損をする可能性もあるので、絶対に損をしたくない人は向いていません。
購入後に価格が上昇すれば利益を得られますが、その反面、下落すれば損をする可能性もあるからです。
そのため、損をするのが絶対に嫌という方は投資信託に限らず、投資に向いていないので下手に手を出さないほうがよいかもしれません。
リスクを受け入れられない人は、投資信託よりも、預金や国債などのより安全性の高い金融商品を選ぶべきでしょう。
短期で大きな利益を得たい人
短期で大きな利益を得たい人は、投資信託への投資には向いていないでしょう。
投資信託は基準価額の決定は1日1回のみで、注文できるのは1回のみなので、チャートを見ながら取引タイミングを決められません。
そのため細かい値動きを利用して利益を出す取引手法には向いていません。
また、投資信託の売買には手数料がかかるので、頻繁に売買すると手数料が高くなるのも投資信託が短期売買には適していない理由です。
短期的に売買を繰り返して利益を出したい場合は、個別株式投資やFXなどのほかの金融商品を検討したほうが良いでしょう。
記事まとめ
投資信託は長い時間をかけて運用することで、複利効果によって資産を大きく育てられます。
老後に備えて資金を準備するつもりで、10年~30年程度の期間をかけてじっくりと運用すると、複利効果を実感できるでしょう。
コツコツとした投資によって、資産を増やしたい方はぜひ取り組んでみてください。
実際に投資信託を購入する際には、ぜひNISAやiDeCoを活用しましょう。一般口座や特定口座で投資信託を運用すると、利益が課税対象になりますが、NISAやiDeCoなら非課税での運用が可能です。
複利効果と非課税制度を活用することで、効果的な資産形成が可能になります。この記事を参考に、複利の力を味方につけて資産形成に取り組みましょう。
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