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投資信託の贈与は簡単?相続手続きや効果の高い節税方法について徹底解説!
投資信託の贈与は簡単?相続手続きや効果の高い節税方法について徹底解説!
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投資信託の贈与手続きは証券会社によって様々!難しく考えなくて大丈夫

現在保有している投資信託を自分の子供や孫、大切な人へ贈与を考えているけど、手続きが面倒くさそうと思っている方も多いのではないでしょうか。

結論、投資信託の贈与手続きは証券会社によって異なりますが、各社マニュアルを用意していることが多いのでそんなに難しくないケースが多いです。

また、贈与税や相続税の目安がわからない方も多いかと思います。

本記事では、投資信託の贈与手続きの流れやおすすめの贈与方法等について解説していきます。

投資信託の贈与の方法とその流れ

投資信託の贈与の方法とその流れ

冒頭でも述べた通り、各社によって投資信託の贈与手続きは異なります。

しかしどの証券会社でも移管手続きの流れは変わりませんので、一般的な流れについて理解しておきましょう。

投資信託の異名義移管手続きが必要

異名義移管とは、贈与等により贈与者の口座から受贈者の口座に保有証券を移管することです。

基本的な流れは以下のようになります。

  1. 移管元(出庫側)の証券会社で所定の書類を入手する
  2. 必要事項を記入し、証券会社に提出する。
  3. 提出後、1週間~2週間程度で移管手続は完了

書類は基本的に贈与者と受贈者でそれぞれ作成が必要となるケースが多いです。

また、受贈者が贈与を受ける証券会社に口座を保有していない場合は、口座開設が必要となります。

異名義口座手続きの注意点について

手数料がかかる場合がある

投資信託の異名義変更の手続きでは、証券会社によって移管手数料が発生する場合があります。

代表的なネット証券会社の移管手数料は以下の通りになります。

投資信託商品の移管手数料 移管対象
SBI証券 1銘柄につき3,300円(税込) 誰でも可
楽天証券 1銘柄につき3,300円(税込) 誰でも可
マネックス証券 1銘柄につき3,300円(税込) 誰でも可
auカブコム証券 1銘柄につき2,200円(税込) 親族のみ※第三者への贈与は不可
セゾン投信 1銘柄につき1,100円(税込) 誰でも可

基本的には1銘柄につき〜円といった移管手数料をとっている場合が多いです。

また、第三者への異名義移管が受け付けていない証券会社がある点も注意が必要です。

移管手続き中は売買取引はできない

移管の手続き中は投資信託の売買取引を行うことができません。

経済情勢が不安定な時期や株価が乱高下しているような時に移管手続きを行ってしまうと、大きな損失を被ってしまう可能性があります。

投資信託の移管手続きでは通常2〜3週間ほど時間がかかる場合が多いですが、提出書類に不備があるとそれ以上に時間がかかってしまいます。

市場の予測をすることは初心者には難しいかもしれませんが、適切なタイミングで移管手続きを行えるとベストです。

投資信託の口座区分が異なると移管できない

投資信託で利用できる口座は「一般口座」、「特定口座」、「NISA口座」の3種類があります。

基本的に同一区分の口座でなければ贈与や移管の手続きを行うことはできません。

移管元 移管先 移管の可否
一般口座 一般口座 ⚪︎
一般口座 特定口座 ×
一般口座 NISA口座 ×
特定口座 一般口座 ×
特定口座 特定口座 ⚪︎
特定口座 NISA口座 ×
NISA口座 一般口座 ×
NISA口座 特定口座 ×
NISA口座 NISA口座 ×

投資信託の贈与等で移管手続きを行う場合、同一区分の口座を準備することが必要となります。

移管元が「特定口座」で、「一般口座」に移管したい場合は、事前に「一般口座」に区分変更の準備をしておきます。

なお、区分変更については下記のパターンでしか変更ができないので注意しましょう。

  • 「特定口座」から「一般口座」
  • 「NISA口座」から「一般口座」または「特定口座」

投資信託の贈与税とその計算方法について

投資信託の贈与税とその計算方法について

ここまでは投資信託の贈与の方法と異名義移管の流れについて説明しました。

また、贈与を受けた時切っても切り離せないのが税金です。

実際にどのような税金がかかるのか、税率や計算方法について解説していきます。

投資信託に発生する贈与税って何?

そもそも贈与税とは一体どういったものでしょう。

贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金のことです。

また、贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」と呼れるものがあります。「相続時精算課税」は一定の要件を満たしている場合のみ選択することが可能です。

暦年課税

暦年課税とは贈与税の課税方式の一つで、1月1日を基準とした1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額である110万円を差し引いた残額が課税の対象となります。

1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかからず、確定申告等の手続きも不要となります。

相続時精算課税

相続時精算課税制度とは、受贈者が2,500万円を上限とし、贈与税を納めずに贈与を受けることができる制度です。

贈与者が死亡した時に、贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額を合計した金額を基に相続税額を計算し、算出された相続税額を相続税として一括で納税します。

2500万円を超えて贈与を受けた場合は、超えた価額に対して一律20%の贈与税がかかります。

また、2024年1月より、年間110万円の基礎控除がなされるようになりました。

暦年課税の計算方法について

暦年課税の計算方法について

暦年課税では、主に一般税率または特例税率のどちらかが適用されます。

また、贈与される金額によってそれぞれの税率は異なってきます。

本章では、暦年課税の税率及びその計算方法について、詳しく解説します。

1.一般税率の場合

一般税率とは兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合など、直系尊属(父母や祖父母など)以外から贈与される場合に適用されます。

基礎控除後の課税価格 200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 3,000万円以上
税率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

具体的なケースについて見ていきましょう。

◾️夫から妻へ評価額500万円の投資信託商品の贈与を受けた場合

110万円が基礎控除されるので、課税価格は500万円-110万円=390万円となります。

400万円以下の課税価格に対しては20%の税率がかかり、そこから25万円の控除額が差し引かれるので、贈与税は(390万円×20%)-25万円=53万円となります。

2.特例税率の場合

特例税率とは財産の贈与を受けた年の1月1日現在において18歳以上の子や孫が、直系尊属(父母または祖父母)から贈与を受ける場合に適用されます。

基礎控除後の課税価格 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 4,500万円以下 4,500万円以上
税率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

具体的なケースについて見ていきましょう。

◾️父から子供へ評価額500万円の投資信託商品の贈与を受けた場合

110万円が基礎控除されるので、課税価格は500万円-110万円=390万円となります。

400万円以下の課税価格に対しては15%の税率がかかり、そこから10万円の控除額が差し引かれるので、贈与税は(390万円×15%)-10万円=48万5千円となります。

課税価格にもよりますが、直系尊属から贈与を受ける特例税率が適用される場合の方が納税金額は少なくなる傾向にあります。

【注意!】NISA口座の投資信託にも税金はかかる

【注意!】NISA口座の投資信託にも税金はかかる

2024年1月から新NISAがスタートし、NISAを活用して投資信託を始めた方も多いのではないでしょうか。

新NISAでは、非課税保有期間や口座開設期間の無期限化、年間投資枠の拡大など旧制度より大きなメリットがあるため、積立投資や投資信託商品を購入するハードルが大きく下がりました。

中でも、運用益に課税がされないため、通常の株式投資より節税効果が見込める点が最大のメリットと言っても良いでしょう。

NISAを活用した投資信託においても贈与を行う際は税金がかかってしまいますので、その中身を詳しく解説していきます。

NISAでの投資信託も贈与税の課税対象に

通常の投資信託や株式投資と同じく、NISAを活用した投資信託の贈与には贈与税がかかります。

また、専業主婦がNISA口座を開設して投資信託を行うようなケースは贈与税が課税される対象となるのでしょうか?

こちらは夫の資金を利用して投資信託を始める場合、贈与税の課税対象となります。

夫から妻である専業主婦への資金移動が1年間で110万までに抑えられれば非課税扱いとなるので贈与税の支払いは必要ありません。

NISA口座から直接贈与を行うことはできない

異名義口座移管の部分でも触れましたが、NISA口座から保有している投資信託商品を贈与することはできません。

贈与者のNISA口座から投資信託商品を贈与する場合は、一度課税口座に振替を行う必要があります。

振替が完了した後、特定口座または一般口座での贈与移管ができるようになるため、通常の贈与とは流れが異なってきますので注意しましょう。

相続税対策に生前贈与もおすすめ

相続税対策に生前贈与もおすすめ

ここまでは投資信託にかかる贈与税について一連の流れや手続きについて説明しました。

贈与には一定の税金がかかるのはしょうがないこととはいえ、少しでも手元に残るお金は増やしたいですよね。

相続税と贈与税の違いについても正しく理解し、パフォーマンスの高い節税について学んでいきましょう。

相続税と贈与税の違いとは?

これまで贈与税については詳しく説明をしてきましたが、相続税とは一体どのようなものなのでしょうか?

相続税について

相続税とは、亡くなった人の財産を相続人が相続する際に徴収される税金です。

つまり、被相続人が亡くなった時に残された遺産に対して課税される税金のことを指します。

相続人の範囲と順位は民法で次のように定められています。

第1順位 配偶者、直系卑属(子供や孫など)
第2順位 配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)
第3順位 配偶者、兄弟姉妹

また、相続に関しては、生前贈与という方法も存在します。

生前贈与とは財産を持っている被相続人が存命中に受贈者に対して財産を無償で贈与する契約行為です。

通常、財産の承継は被相続者が亡くなった時点を起点として相続が発生しますが、生前贈与では被相続人が存命中の間に財産の承継を行うことができます。

生前贈与の場合、年間110万円まで非課税扱いに!

一見、相続と生前贈与では財産をもらうタイミングが違うだけかのように感じてしまいますが、生前贈与を行うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

生前贈与のメリットには以下のようなものが挙げられます。

  1. 相続税の節税につながる
  2. 投資信託などの商品における評価額の上昇を防げる
  3. 相続トラブルの防止につながる
  4. 暦年贈与の制度を活かすことができる

1.相続税の節税につながる

生前贈与には被相続人が亡くなった際に発生する遺産を減らす効果があります。

相続税は、相続時の課税遺産総額に対してのみ課税がなされるため、相続時の財産を減らすことができれば、相続税の節税に大きくつながります。

また、相続税の基礎控除額は以下の通りになります。

相続税の基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

2.投資信託などの商品における評価額の上昇を防げる

株式投資や投資信託などの金融商品では値動きが発生するため、日ごとに基準価格は異なります。

したがって、将来的に相続財産の評価額が上がると仮定した時に投資信託の基準価格が値上がりするであろうタイミングで贈与を行うことができれば、相続する場合と比較すると支払うべき相続税の目減りにつなげることができます。

また、贈与後3年以内に被相続人が亡くなり相続が発生した場合、その贈与分は相続財産として加算されます。

しかし、相続財産として持ち戻す価格は、贈与時の評価額となるため、贈与後に相続財産となっても評価額の上昇の影響は受けません。

3.相続トラブルの防止につながる

相続に揉め事やトラブルはつきものです。ドラマやニュースでも相続で揉めている場面を一度は見たことがあるかと思います。

現金、土地、投資信託などの金融鵜商品など、複数の財産を所持している方で贈与したい特定の人・財産がある場合、生前贈与を活用すればスムーズに財産所有権を移転することが可能となります。

また、生前贈与だと生きているうちに財産分与がなされると事前に相続人に対して意思表示を行うことが可能なため、不要な争いを避けることにも繋がります。

4.暦年贈与の制度を活かすことができる

暦年贈与の制度を活かすことができる点が生前贈与における最大のメリットと言っても過言ではありません。

冒頭でもご紹介しましたが、贈与税とは1年間に110万円までであれば、贈与税の課税対象とはなりません。

したがって、投資信託等の金融商品を含めた財産を一括で贈与するのではなく毎年110万円以下に抑えて贈与を行えば大きな節税効果につながります。

定期贈与とみなされないために工夫すべき2点

しかし、暦年贈与の制度を活用して贈与する際には注意が必要です。

毎年決まった金額を贈与することを「定期贈与」と言いますが、税務署より定期贈与とみなされた場合、通常通り贈与税を支払う可能性が生じます。

定期贈与とみなされないために工夫すべき2点を解説します。

1. 贈与の証拠をきちんと残す

1点目は「贈与の証拠をきちんと残す」ことです。

税務調査ではいつ、いくら贈与されたのかを注意して調査がなされます。

したがって、手渡し等での贈与を行うことは避けるべきです。

銀行振込などで日にちや贈与額が明確にわかるようにした上で贈与を行いましょう。

2. 贈与契約書を作成する

2点目は「贈与契約書を作成する」ことです。

贈与契約書を作成するということは、贈与の証拠を残す有力な方法の一つです。

上述した日にちや贈与額を証明することにもなり、契約書を交わすことで贈与者と受贈者が合意した証明にもなるのでトラブル回避にもつながります。

更に、取り交わした契約書を毎年公証役場へ提出し確定日付の付与がされたら、より強力な証拠となり得るでしょう。

記事のまとめ

記事のまとめ

本記事では投資信託における贈与の流れや贈与をする際により効果の高い節税方法について解説しました。

証券会社ごとで必要書類や手続きは異なってきますので、投資信託の贈与を検討している方は、直接相談することをお勧めします。

生前贈与は節税ができる反面、正しく贈与ができなければ効果を発揮できないので注意が必要となります。

贈与税や相続税についてより深く話を聞いてみたい方はファイナンシャルプランナーを頼っても良いでしょう。

ファイナンシャルプランナーとは、相談者の将来のライフプランニングに寄り添った資金計画やアドバイスを行う専門家のことです。

投資信託や贈与に関するアドバイスはもちろんのこと、保険やiDeCoなどその他の金融資産、所得に応じた家計管理を総合的な観点からアドバイスをもらえます。

「終活」といったフレーズの普及にも相まって、ファイナンシャルプランナーは相続税や贈与税などの税金対策には大きな強みを持っている人も多いようです。

じっくり考える時間がない方や、贈与のタイミングなど自分で判断することが難しいと感じる方はぜひファイナンシャルプランナーに相談してみてくださいね。

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監修者プロフィール
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。
個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動し、新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。
退職後、資産運用だけでは本当の解決ができないという思いから、2020年に一般社団法人証券相続普及協会を設立、代表理事に就任。
終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、現在はお客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
【代表著書】
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※2024年9月30日調べ
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