投資信託を解約(換金)する方法とタイミング
投資信託は基本的にいつでも解約(換金)し、金額を確定することができます。
そのことから、「解約(換金)に適したタイミングがわからない…」といったお悩みを持つ方も多くいらっしゃいます。
そこで、この記事では投資信託の解約タイミングについて解説。
投資信託を行っている主な金融機関での投資信託解約方法についてもご紹介しています。
投資信託の解約をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
投資信託は長期保有が基本
基本的にいつでも換金できる投資信託ですが、長期保有を前提にしましょう。
これは、長期保有することで2つの効果を得られるためです。
それぞれの効果の概要は以下の通りです。
効果 | 概要 |
---|---|
複利効果 | 運用で得た利益を再び投資することで、利益が利益を生み、雪だるま式に資産が膨らんでいく効果のこと。 複利効果は長期で保有すればするほど、加速して膨らむ特徴があります。 |
資産変動抑制効果 | 短期間で見ると、購入したタイミングによってリターンがプラス、マイナスと大きく変動する可能性があります。 しかし、長期保有することによって振れ幅が抑えられ、安定的なリターンを目指すことが可能になっていきます。 |
長期で運用する最大のメリットは、複利の効果を最大限に発揮できるという点です。
これは長い期間、投資を続けていると、途中に発生する利子や分配金などを再投資することができ、利子や分配金にも利息をつけることができるためです。
このように、長期投資は複利の効果を最大限に取り込むことができます。
長期保有した場合のシミュレーション
ここで、金利3%という条件で月2万円を積み立てた場合の利益についてシミュレーションしてみましょう。
保有年数 | 元本 | 利益 | 元本+利益 |
---|---|---|---|
5年 | 120万円 | 9万2934円 | 129万2934円 |
10年 | 240万円 | 39万4828円 | 279万4828円 |
20年 | 480万円 | 176万6040円 | 656万6040円 |
※年1回の複利計算をしています
※小数点以下を四捨五入しています
毎月2万円を年利3%複利で運用した場合、元本は5年から10年にかけて120万円から240万円の2倍に積み上がっています。
元本2倍の積み上がりに対し、利益は約9万円から約39万円になり、利益は約4倍に増えています。
また、保有年数が5年と20年では元本は120万円から480万円の4倍に積み上がっているのに対し、利益は約9万円から約176万円の約19倍の増え方になっています。
長期保有することで複利効果が高まり、時間の経過とともに利益が加速して増えていくことがわかります。
投資信託を解約(換金)するタイミングはいつ?
ここからは投資信託を解約(換金)するタイミングについて解説します。
投資目的の時期が到来したとき
投資を始める際に決めた目標の時期になったときに、投資信託を売却します。
マイホームの購入、子供の教育費、老後資金など、お金が必要な時期に売却するため、売却時の基準価額の金額に左右されず確実に目標を達成できます。
目標金額に達したとき
投資を始める際に決めた目標の金額になったときに、投資信託を売却します。
売却時の基準価額の金額に左右されることなく、確実に目標を達成できます。
目標金額まで値上がりしたらすぐに売却し、利益を確定させるのがよいでしょう。
なぜなら、利益を確定しない限り、再び損失を出す可能性もあるからです。
金額の節目を設けることは、売却するタイミングを常に意識することができる点がポイントです。
投資信託の基準価額が上昇し、「もう少し儲かるかもしれない」という欲が出てきても、売却に踏み切ることができます。
自分のリスク許容度が変化したとき
個人の資産運用においては、収入や資産残高、家族構成、退職までの期間など、ライフプランに応じて、リスク許容度が変化していきます。
それに伴って、今までのアセットアロケーション(資産配分)を変更することが必要になります。
リスク資産の配分を低くする場合は、これまで保有していた株式投資信託の一部または全部を売却することになりますが、この場合も、一気に売却せずにタイミングを分散して売却することが望ましいといえます。
今より魅力的な投資先が見つかったとき
購入した投資信託では利益が出にくくなり、ほかの金融商品を購入すれば利益が見込めるケースもあるでしょう。
ほかの金融商品を購入したい場合、既存の投資信託の利益を確定して購入資金を用意する方法があります。
長期的な値上がりが期待できないと判断したとき
市場環境や社会情勢が大きく変化すれば、投資信託によっては長期的に見て値上がりが期待できなくなるケースがあり、そのような場合は売り時だと考えられます。
例えば、特定の産業や地域に特化した投資信託を購入した場合に、その投資先の産業が技術革新により大きなダメージを受けてしまったり、投資先の地域の地政学リスクが高まってしまったりすると、当面値上がりが期待できなくなるケースがあります。
投資信託の目的は、長期間保有し続けて資産をふやすことにあります。
したがって、今後値上がりが期待できないのであれば保有し続けるメリットはありません。
このようなときは早めに売却を考えることが得策といえるでしょう。
投資信託は専門家が運用してくれますが、運用方針が時代にそぐわないものになってしまう場合や、経済状況と合わないものになってしまう場合もあり注意が必要です。
最低限、保有する投資信託の特徴を把握すること、また、その投資信託に係る経済の情報収集を心掛けたいところです。
投資信託の解約(換金)手続き方法について解説
ここでは以下の代表的な銀行・証券会社における投資信託の解約(換金)方法について解説します。
- 楽天証券
- 三井住友銀行
- ゆうちょ銀行
- イオン銀行
- 関西みらい銀行
それぞれについてみていきましょう。
投資信託の解約(換金)方法−楽天証券の場合−
楽天証券での投資信託は、インターネットで解約(換金)することが可能です。
- 楽天銀行ホームページ(https://www.rakuten-bank.co.jp/assets/investment/)にログイン
- 投資信託トップ画面から「お預かり状況照会」を押す
- 「お預かり状況照会」画面で、換金したいファンドの「換金」ボタンをクリック
- 換金注文口数の入力
- 換金内容の確認
- 換金注文の完了
詳しくは楽天銀行の「ご利用ガイド」(https://www.rakuten-bank.co.jp/assets/investment/guide/purchase-cancel.html)をご参照ください。
投資信託の解約(換金)方法−三井住友銀行の場合−
三井住友銀行では、インターネットと窓口、電話で解約(換金)手続きを行うことが可能です。
インターネットでの解約方法は以下の通りです。
- SMBCダイレクト(https://direct.smbc.co.jp/aib/aibgsjsw5001.jsp)にログイン
- 投資信託(ファンド)のお取引から「ファンドの解約・収益分配金の取扱変更」をクリック
- 投資信託口座、連絡先電話番号を確認し、「次へ」をクリック
- 換金(解約)するファンドの「解約」をクリック
- 「解約金額」を入力し、「次へ」をクリック
- 取引内容・重要事項説明を確認し、「実行」をクリック
- 解約注文完了
詳しくは三井住友銀行の「ご利用方法一覧」より、「投資信託の換金(解約)方法」(https://www.smbc.co.jp/kojin/direct/toshinkaiyaku.html)をご参照ください。
投資信託の解約(換金)方法−ゆうちょ銀行の場合−
解約(換金)の申込は取引店舗でのみ行うことができます。
15時までにお申込手続きが完了した場合は当日扱い、それ以降は翌営業日扱いとなります。
また、金額(円)指定による申込となります。口数指定による申込はできないので注意が必要です。
解約手続きに行く際には、以下のものを忘れずに持っていきましょう。
- 投資信託振替決済口座利用と記載された通常貯金通帳
- 印章(上記通帳のお届け印)
投資信託の解約(換金)方法−イオン銀行の場合−
イオン銀行では、インターネットと窓口の両方で解約(換金)手続きを行うことが可能です。
インターネットでの解約方法は以下の通りです。
- インターネットバンキング(https://www.aeonbank.co.jp/investment/)にログインし、メニューの「投資信託」を選択メニューから「お取引」を選択
- 保有ファンド一覧から解約されるファンドを選択し、表右端にある「解約」ボタンをクリック
- お申込みに関するご注意事項を確認し、「確認して次へ」をクリック
- 解約注文を入力
- 解約注文の確認
- 解約注文完了
詳しくはイオン銀行の解約ガイド(https://www.aeonbank.co.jp/guide/direct/investment/fund_cancellation/)をご参照ください。
投資信託の解約(換金)方法−関西みらい銀行の場合−
関西みらい銀行での投資信託の解約(換金)手続きは窓口とインターネットの両方で行うことができます。
インターネットでの解約方法は以下の通りです。
- 関西みらい銀行のマイゲート(https://ib.kansaimiraibank.co.jp/IB/0102/SC_N_0102_010.aspx)にログイン
- 画面右下の「マイページ」を選び「運用資産」をクリック
- 解約を希望する銘柄の明細詳細画面の右上にある「解約」をクリック
- 解約金額を入力。全部解約の場合は、「全部解約」をチェック
- 解約注文の確認
- 解約注文完了
詳しくは関西みらい銀行の投資信託のお取引きの流れ(https://www.kansaimiraibank.co.jp/kojin/toshin/otorihiki/)をご参照ください。
解約(換金)する際の注意点
投資信託の利益には税金(20.315%)がかかります。
源泉徴収ありの特定口座で運用している場合は、税金が差し引かれた状態で口座に入金されます。
そのため、目標金額の設定にあたっては税金も考慮しておくとよいでしょう。
また、クローズド期間は投資信託を売却できない点にも注意しましょう。
クローズド期間とは、投資信託の解約請求ができないある一定期間のことです。
投資信託によってはクローズド期間が定められていることがあるため、購入前に確認しておきましょう。
投資信託によっては、換金時にかかる費用として信託財産留保額や換金(解約)手数料が必要となる場合もあります。
投資信託の売却時に手数料が必要かどうかは、投資信託ごとに作成されている「投資信託説明書(交付目論見書)」で確認することができますので、こちらも購入前に確認するようにしましょう。
記事まとめ
この記事では投資信託の解約(換金)タイミングについて解説。
投資信託を行っている主な金融機関での投資信託解約方法についてもご紹介しました。
本記事でご紹介した通り、投資信託は長期保有によって以下のようなメリットが得られます。
- 複利効果が得られやすい
- 常に値動きを気にせずに済む
投資信託の解約をお考えの方は、解約によるリスクとリターンを比較し、再検討してみましょう。