過去5年間の平均利回りが高いおすすめ投資信託ランキングをご紹介
投資信託(投信)で資産運用をする際に、平均利回りが高い商品を選ぶと資産の増加スピードが大きくなります。
そのため、平均利回りの高さで投資信託を選びたいという方も多いでしょう。
この記事では、過去5年間の平均利回りが高いおすすめ投資信託ランキングをご紹介します。
さらに、カテゴリー別の投資信託の平均利回りや、新NISAで節税しながらの投資が可能かどうかについても解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
よく聞く「平均利回り」ってなに?
証券会社のWebサイトなどによく表示されている、平均利回りとは何を指すのでしょうか?
平均利回りとは投資の世界でよく使われる用語で、投資した元本が年間に平均でどれだけの利益を上げたかを表す指標です。
より分かりやすく言えば、年間で投資したお金が平均でどのくらい増えたかを示すものです。
たとえば、年間で平均5,000円の利益を生み出してくれる10万円の投資があった場合、利回りは5%です。
ちなみに、利率と平均利回りとは紛らわしい用語ですが、これらは意味が異なります。
利率は金額に対して発生する金利のことです。仮に預け入れた銀行の金利が0.5%で、100万円を預け入れた場合、5,000円の利息を受け取れます。
一方、平均利回りは金利だけでなく、株式の価格変動による利益や配当金、不動産の賃貸収入などさまざまな要素が含まれます。
あらゆる要素から得られる利益をすべて合計し、平均利回りが計算されます。
利回りの計算方法
投資信託の利回りは以下の計算式で算出できます。
この計算式により平均利回りが分かり、銘柄を選ぶ際に参考にできます。
たとえば、元本100万円を3年間、利率2%で運用したときの平均利回りを求めてみます。
1年の利益は2万円、3年間の利益は6万円のため、計算式は以下の通りです。
この計算により、運用による平均利回りは2%であることが分かります。
証券会社の平均利回りのデータは複利計算した際の数値
証券会社で投資信託の平均利回りとして表示されている数値は、複利で運用した場合の数値が表示されている点を知っておく必要があります。
複利で運用する場合、過去に生じた利益が元本に加わることから、最終的な資産額は以下の式で計算できます。
(※nは運用する年数)
例えば元本100万円を3年間、利率2%で複利運用した場合、投資の成績は以下のようになります。
このように特定の利回りで複利運用した結果を求められます。
証券会社では、複利運用を前提とした平均利回りが表示されます。
投資信託の平均利回りを確認する際には、平均利回りのデータとして、複利運用した場合の平均利回りが表示される点を覚えておきましょう。
長期運用すると複利の効果は大きくなる
3年や5年程度では複利運用の効果は実感しにくいですが、10年、20年、30年と長期間運用すると複利運用のメリットが分かります。
先ほどと同様に、元本100万円を3年間、利率2%で運用した運用益について、10年・20年・30年で計算すると以下のようになります。
- 100万円×(1+0.02)¹⁰=約122 万円
- 100万円×(1+0.02)²⁰=約149万円
- 100万円×(1+0.02)³⁰=約181万円
このように、30年後には元本が約1.8倍になっており、長期間複利運用することで元本を大きく増やせます。
したがって、投資信託に投資するのであれば、長期的な視点の運用を前提に考えると、資産を大きく増やしやすくなるでしょう。
【カテゴリー別】投資信託の平均利回りの目安は1%~15%
投資信託にはカテゴリーが存在しますが、平均利回りはおよそ1%~15%です。
具体的な平均利回りのデータは以下の通りです。
- 国内株式(大型ブレンド)…15.55%
- 国際株式(グローバル・除く日本)…17.24%
- 国内債券(中長期債)…-1.59%
- 国際債券(グローバル・除く日本)…-5.96%
- 国内REIT型…1.25%
- 国際REIT型(グローバル・除く日本)…13.18%
※2024年3月時点、過去3年間の平均利回り
参照:カテゴリー別のリスクリターングラフから探す|ウェルスアドバイザー
このように投資信託の種類によって、平均利回りは大きく異なります。
海外の投資信託の中には、新興国市場に投資する銘柄が含まれており、平均利回りが高くなります。
ただし、だからと言って国内よりも海外に投資したほうがお金が増えやすいのかといえば、そういうわけではありません。
ハイリスク・ハイリターンとなり、元本が大きく増える可能性もあれば、大きく減る可能性も高くなるためです。
一方、国内の投資信託は平均利回りが低い傾向があるものの、その分リスクが小さく、大きな損失が出る可能性も低いのが特徴です。
S&P500・日経225の平均利回りは?
投資信託を選ぶ際、平均利回りはどの程度の数値を目安にすればいいのでしょうか?
参考になるのは、代表的な指数であるS&P500や日経225の平均利回りです。
これらは米国・日本を代表する企業の株式で構成されており、これらに連動するインデックス投資信託は比較的値動きが安定しているため、よくポートフォリオに組み込まれます。
最近のデータによると、それぞれの平均利回りは以下の通りです。
過去5年間の平均利回り | 過去10年間の平均利回り | |
---|---|---|
S&P500 | +17.46% | +10.60% |
日経225 | +11.63% | +8.11% |
参照:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 日本経済新聞
参照:ニッセイ日経225インデックスファンド | 日本経済新聞
このように、米国・日本の経済成長を反映する2種類のインデックスファンドの平均利回りは、およそ10%程度になっていることが分かります。
投資信託を選ぶ際には、この数値を参考に選んでみるのもいいでしょう。
利回りが高いおすすめの投資信託ランキング
利回りが高い投資信託には、一体どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、利回りの高い投資信託ランキングトップ3を紹介していきます。
1位:eMAXIS Neoバーチャルリアリティ
項目 | 詳細 |
---|---|
利回り(過去5年) | 38.41% |
基準価額 | 43,646円 |
純資産額 | 102億1,700万円 |
手数料 | 0.00% |
信託報酬 | 0.792% |
「eMAXIS Neoバーチャルリアリティ」は、過去5年間の平均利回りが38.41%と非常に高いのが特徴です。
その名の通り、世界各国のバーチャルリアリティ関連の株式で構成されます。具体的な構成銘柄の具体例として、ユニティー ソフトウェア・スナップ・ゼロックス ホールディングスなどが含まれます。
ロボット、バイオテクノロジー、AI、自動運転といった、今後成長が期待できる銘柄でテーマ株で指数を作っているので、今後これらの産業が伸びていけば投資により資産を大きく増やせるかもしれません。
ただし、この投資信託は積極的にリターンを取りに行く銘柄のため、値動きが大きく投資のやり方によっては損失が得る可能性がある点には注意する必要があります。
新NISAで購入できるので、税負担を気にすることなく資産を効率的に増やせる可能性があるのも、この投資信託の魅力です。
NISAでの取り扱い有無については、NISA成長投資枠での投資が可能です。一方で、投資枠での投資はできません。
2位:iFreeNEXT FANG+インデックス・オープン
項目 | 詳細 |
---|---|
利回り(過去5年間) | 37.43% |
基準価額 | 47,304円 |
純資産額 | 197億4,900万円 |
手数料 | 2.20% |
信託報酬 | 0.7975% |
iFreeNEXT FANG+インデックス・オープンは、米国企業の株式のみで構成された銘柄です。
アルファベット A・テスラ・エヌビディア・アマゾンなどの、次世代技術を取り扱う10種類が構成銘柄となっています。
景気に大きく左右される銘柄から構成されているため、ボラティリティが非常に大きいのが特徴です。
ここ5年間については非常に高いパフォーマンスを記録し、平均利回りが相当に高い結果になりました。
ただし、値動きが激しく価格が下落する時にも大きくなると予想できるため、ハイリスク・ハイリターンな商品である点には注意する必要があります。
ちなみに、NISAの対象銘柄に含まれているので、非課税枠の範囲内で高い利回りでの資産運用が可能です。
3位:FANG+インデックス・オープン
項目 | 詳細 |
---|---|
利回り(過去5年間) | 37.42% |
基準価額 | 46,359円 |
純資産額 | 746億9,300万円 |
手数料 | 0.00% |
信託報酬 | 0.7755% |
2位の「iFreeNEXT FANG+インデックス・オープン」と同様、 「NYSE FANG+指数」を構成する全銘柄に投資する投資信託で、値動きや過去5年間の平均利回りもほぼ同じです。
ただし、こちらの「FANG+インデックス・オープン」は購入手数料は無料なので、こちらのほうがコストが低くおすすめできます。
「NYSE FANG+指数」に連動する商品を選択したい場合は「FANG+インデックス・オープン」を選んだほうが、有利に資産運用できるでしょう。
この投資信託はNISAの対象銘柄なので、一定の運用金額の範囲内であれば非課税での運用が可能です。
投資信託は平均利回りが高ければ良い訳じゃない?
投資信託を選ぶ際には、早く資産を増やそうと平均利回りが高い商品を選びたくなります。
しかし、投資信託は組入銘柄によってリスクとリターンが大きく異なり、平均利回りが高いほどハイリスク・ハイリターンになる傾向があることを忘れてはいけません。
そのため、平均利回りの高い投資信託を選べば良いというわけではなく、投資の方針を作りそれに合った商品を選ぶ必要があります。
短期間での資産増加を目指すなら、あえてリスクを取り平均利回りの高い投資信託に集中投資するのも一つの方法です。
一方で、投資信託を活用してリスクを抑えつつ堅実に資産を増やしていきたい場合は、平均利回りが高い商品を積極的に選ぶべきではありません。
平均利回りが低めであっても、安定的な資産増加が期待できる投資信託を中心にポートフォリオを組むようが賢明でしょう。
もしも、平均利回りが高い投資信託を選ぶのであれば、ポートフォリオ全体のなかで割合を小さくし、リスクを抑えるのがおすすめです。
投資信託を選ぶ際には、平均利回りに惑わされず、リスクとリターンのバランスを考慮し投資信託を選定するようにしましょう。
利回り以外にも!投資信託を選ぶときに確認すべき注意点
利回り以外にも、投資信託を選ぶ際に確認すべき注意点があります。
ここでは、3つの注意点を紹介しているので確認しておきましょう。
利回りが継続しているかを確認する
投資信託の平均利回りを確認する際は、過去数年間の利回りが継続して高い水準を維持しているかを確認しましょう。
投資信託の利回りは年によって大きく変動することがあるため、最新年の利回りのみを確認するのは不十分です。
新興国の株式で構成される投資信託は、その国の政治動向などにより利回りが大きく変動するため、利回りがその年によって大きく変わります。
また、AIやオリンピックなど特定の理由で、一時的に注目度が高まった企業の株式で構成される投資信託の場合、注目度が高まったときだけ一時的に利回りが高くなることが考えられます。
一時的に利回りが高くなっている投資信託を選ぶと、投資した後に利回りがマイナスになり損する可能性があります。
特定の年の平均利回りだけではなく、過去3年~5年程度の利回りを確認し投資先を選ぶようにしましょう。
投資信託への投資には手数料・税金がかかる
投資信託を投資し利益が出ると手数料や税金がかかるので、この点を考慮する必要があります。
運用後に利益が出た場合でも、利益が全て手元に入るわけではなく、手数料と税金を差し引いた分が実際の利益になります。
投資信託の手数料は以下の通りです。
販売手数料 | 購入時に支払う費用 | 購入金額の1~3%が目安 |
---|---|---|
信託報酬(運用管理費用) | 運用中に毎年支払う費用 | 純資産総額の0.1〜2%が目安 |
信託財産留保額 | 売却時に支払う費用 | 基準価格の0.1〜0.5%が目安 |
また、税金については投資信託の運用によって出た利益の20.315%になります。
手数料と税金を合計すると、運用益の25%程度が差し引かれると考えておきましょう。
投資用語の意味を区別して投資先を選ぶ
証券会社では、投資信託の平均利回りをリターンもしくはトータルリターンと呼ばれる場合があります。
平均利回り、リターン、トータルリターンという用語は厳密には以下のように異なる意味を持ちます。
- 平均利回り:投資から得られる年間の平均的な収益率
- リターン:投資から得られる利益の総量を指す指標
- トータルリターン:投資全体のパフォーマンスを評価する指標
このように明確にはこれらの用語の意味は異なりますが、証券会社のWebサイトでは、平均利回りを指す言葉として、リターンやトータルリターンが使われる場合があります。
用語を知らないと、投資信託について調べている際に混乱する場合があるので、この機会に知っておきましょう。
失敗しないためのポイント
投資信託への投資で失敗しないためには、知っておきたいポイントが2つあります。それぞれについて解説するので、事前に知っておきましょう。
投資先は複数に分散する
投資信託に投資する際は、1種類の投資信託にすべての資産を集中して投資することはオススメできません。
投資信託は構成銘柄に個性があり、それによってリスクの高さが決まります。
そのため、1種類に資産を集中させると、価格が下落した際に資産を大きく減らしてしまう恐れがあります。
そこで複数の投資信託に分散して投資することで、リスクを軽減するのが望ましいといえます。
平均利回りが高い投資信託はハイリスク・ハイリターンの傾向があり、利回りが低いものは大きなリターンは期待しにくいものの安定した利益を得やすい傾向があります。
投資信託を選ぶ際には、運用のパフォーマンスを向上させるために、平均利回りがよくリスクが高めの商品を選びたい場合もあるでしょう。
そういった場合には、ローリスク・ローリターンもしくはミドルリスク・ミドルリターンの商品と組み合わせ、リスクを分散するのがおすすめです。
少額投資で経験を積みながら学ぶ
投資信託への投資での資産形成のためには、適切な金額で投資を始め、経験を積みながら学ぶことをおすすめします。
投資信託は運用自体はプロに任せられますが、どの商品を選ぶかやポートフォリオをどのように構成するかは自分で決める必要があります。
この際に、資産が短期間で増えることを期待してしまうと、ハイリスク・ハイリターン商品に大きすぎる金額を投資し、資産を減らしてしまう可能性が高くなります。
投資に限った話ではありませんが、何事も失敗しながら経験を積み、徐々に上達するのが当然です。
最初のうちは失敗する可能性が高いので、そこで大きなダメージを受けないよう、少額投資で経験を積みながら学んでいきましょう。
投資金額を増やしていくのは、ある程度経験を積み資産運用への理解が深まった後でも全く遅くありません。
2024年から始まった「新NISA」で節税できる?
2023年で旧NISA口座制度が終了となり、2024年にNISA口座が新しくなりました。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 成長投資枠と合計し1,800万円 | 1,200万円 |
非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
このように全体的に内容が強化されており、以前のNISAよりも非課税での資産運用がしやすくなっています。
2種類の枠を合計すると1,800万円まで投資できるので、非課税で本格的な資産運用が可能です。
投資信託
つみたてNISAでは、様々な投資信託に投資できます。
つみたて投資枠と成長投資枠のそれぞれで、投資できる投資信託が金融庁から指定されています。
つみたて投資枠では、長期的な積立および分散投資に適した、特定の投資信託への投資が可能です。
一方で、成長投資枠ではより多くの種類の投資信託を購入できます。
両方の枠を組み合わせることで、平均利回りとリスクのバランスを見ながら、色々なタイプの投資信託を組み合わせてポートフォリオを構築できます。
記事まとめ
投資信託はその商品によって構成銘柄が異なるため、平均利回りが大きく異なります。
また、国内株式型や海外株式型などのカテゴリーによって、平均利回りが変わります。
そのため、証券会社の平均利回りランキングなどを確認し、投資対象を選ぶ際の参考にするといいでしょう。
ただし、平均利回りが高い商品はハイリスク・ハイリターンなので、値動きによっては損をする可能性もあります。
平均利回りの高さだけでなく、過去の値動きやリスク・リターン指標などを確認し、投資対象を選ぶことが重要です。
また、新型NISA口座を使うと非課税で資産運用できるので、利用するのがおすすめです。
証券会社の口座を持っている場合は、NISA口座での取り扱いが可能な銘柄を選んで投資するのも一つの方法です。
この記事を参考に投資信託への投資をスタートし、長期的な視点で資産形成を進めていきましょう。