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FXは資産運用に有効?投資初心者が知っておきたい取引時のリスクを解説!
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FXの資産運用活用は十分な知識が必要なため投資初心者にはおすすめできない

「FX取引は資産運用に適している?」

「投資初心者がFX取引するのは危険?」

資産運用する際は、分散投資でリスクを軽減させたいと考える方も少なくないでしょう。

資産運用の1つとして挙げられるFX取引は、少ないリスクで投資が行えるのでしょうか。

投資初心者の方にはリスクがある取引のため、上手く活用できない場合は損をする可能性もあります。

この記事では、主に以下の内容を解説します。

  • FXのメリットとデメリット
  • FXは資産運用に適しているか

記事を読むと、FXの仕組みや活用するメリットとデメリットが分かります。

特に投資初心者の方は、取引時のリスクを把握してから利用しましょう。

FXとは

FXとは

FXとは「Fоreing Exchange」の略であり、日本では「外国為替証拠金取引」を意味します。

「米ドルと日本円」「ユーロと日本円」などのように、外貨の売買で取引をするのです。

外貨両替と仕組みは大きく違いませんが、FXには預けた資金の最大25倍まで取引ができる「レバレッジ」があります。

レバレッジとは、少額資金で大きな金額の取引をする方法です。

レバレッジを利用すると、高額な金額の取引ができるため、大きな利益を得られる可能性があります。

一方で為替の動きによって大きく変動する場合もあり、損が出る取引でもあります。

FXはハイリスクハイリターンの取引であるため、投資初級者は仕組みをしっかり把握しなければなりません。

ここでは、FXのメリットとデメリットを詳しく解説します。

株式投資との違い

株式投資との違い

FX取引以外にも、資産運用の手段として株式投資が挙げられます。

株式投資とは、企業が事業に必要となる資金を調達するために発行された株式を購入して、売買や配当金で利益を得る資産運用です。

FX取引と株式投資の特徴は、以下のとおりです。

投資方法 FX 株式投資
投資対象 世界各国の通貨 上場企業の株式
取引時間 平日ほぼ24時間 平日9:00〜15:00
レバレッジ 最大25倍 なし
キャピタルゲイン 値上げ・値下げどちらも 値上がりのみ

FXと株式投資は投資対象や取引時間が違います。

FXは「米ドルと日本円」「ユーロと日本円」など通貨で投資を行いますが、株式投資は上場企業の株式に投資をします。

さらに、FXは国の金融政策や経済指標などが影響するのに対し、株式投資は企業の業績で利益が左右されるのです。

メリット

メリット

FXを利用するメリットは、以下の3つがあります。

  • 少額で取引ができる
  • 相場の上昇・下降の両方で利益が出せる
  • 24時間取引ができる

FXには、他の資産運用法にはない特徴があります。

少額で取引ができるだけでなく、24時間取引ができるなどが大きなメリットです。

特徴を把握し、うまく活用できればリスクを軽減して利益が得られます。

それぞれのメリットを、以下で紹介します。

少額で取引ができる

FX取引では、レバレッジがあるため数千円から取引ができます。

FX取引に必要な証拠金は、通貨ペアの種類と取引を行う証券会社によって異なります。

  • 最小取引単位:1,000通貨
  • 最大レバレッジ:25倍
  • 購入通貨:1ドル100円の際に購入

1ドル100円の際に購入できれば、25分の1の資金である4,000円の証拠金で取引が可能です。

株式投資の場合、数十万円の元手が必要になるため、少額から気軽に資産運用をはじめたい方にはFX取引は向いているでしょう。

相場の上昇・下降の両方で利益が見込める

FX取引は、上昇利益だけでなく下降の場合でも利益が見込めます。

株式投資の場合、低い価格で購入し、高い価格になった際に売却すると利益が出るのが一般的です。

一方で、FX取引は低い価格で購入して売却するだけでなく、高い価格で売却して低い価格の際に買い足す方法もあります。

上昇相場だけでなく、下降相場にも気を配り取引をすると大きな利益が見込めます。

24時間取引ができる

株式投資のように決まった時間だけの取引ではなく、FX取引は平日24時間取引ができます。

東京市場が閉まっている際も外国為替市場であるロンドンやニューヨーク市場は開いており、各国の通貨で為替取引が行われているからです。

したがって、証券取引所のように9:00〜15:00までの日中取引だけでなく、夜間も取引できます。

平日の24時間取引ができるため、仕事で日中対応できない場合や仕事帰りの遅い時間でも運用が可能です。

デメリット

デメリット

FX取引のデメリットは、以下の2つです。

  • 高いレバレッジによる損失
  • 政策や経済悪化による金利の変動

大きな利益が見込まれる一方で、価格変動のリスクを受けやすい取引でもあるため、最新の動向にも注意が必要です。

大きな損失が出ないように、注意点も把握しておきましょう。

高いレバレッジによる損失

レバレッジがあるのは、FX取引の特徴ですが、わずかな価格変動でも大きな損失が出るのも特徴です。

たとえば、米ドルを1ドル100円で購入した場合で見てみましょう。

  • 購入通貨:米ドルを1ドル100円で購入
  • 所有通貨数:10,000通貨
  • 購入金額:40,000円

99円まで価格が変動した場合、下がり幅は1円と決して高くありませんが(1円×10,000円)となり、10,000円の損失です。

40,000円の証拠金に対して10,000円の損失の割合は高く、金額が大きくなるとさらに損失は大きくなるでしょう。

損失を少なくするためには「資金に余裕を持たす」「取引数を多くしすぎない」などが重要です。

政策や経済悪化による金利の変動

FX取引では、各国の政策や経済悪化によって金利が変動します。

高金利の通貨を売却し、低金利の通貨を購入した際に発生するマイナスの差額分(スワップポイント)を支払う必要があるのです。

FXでは、低金利で通貨を売却し、高金利で通貨を購入すると、金利の差額分が受け取れます。

スワップポイントは、売買する通貨の金利差から発生する利息で、売買を繰り返さなくても手に入る利益です。

スワップポイントを毎日受け取りたいために、中長期で運用する方もいます。

しかし、政策金利は常に一定ではないため受取額は日によって異なるのも特徴です。

急な価格変動に対応するためには、放置するのではなく、定期的に各国の金利状況を確認する必要があります。

FXは資産運用として有効的?

FXは資産運用として有効的?

FX取引は、株式投資や積立NISAと同じく、資産運用に利用する方もいるでしょう。

しかし、資産運用のみを目的とする場合はFXの利用はおすすめできません。

FX取引は、最大25倍のレバレッジがかけられるため、少ない資金で大きなリターンが得られるメリットがあります。

相場に急変動が合った場合は短期間で大きな損失が出る可能性もあるのです。

FX取引には、定期預金のような元本保証はありません。

場合によっては、入金した証拠金よりも多い損失が出る可能性もあり、差額分は追加で支払いをしなければなりません。

損失を少しでも軽減するために、投資で一定の損失が出た場合にポジションを強制的に決算するロスカット制度があります。

しかし、急な価格変動では制度適用が間に合いません。

急な事態に備えて、資金に余裕をもたせる、損失額のラインを決めるなどして損失を最小限におさえる対策が必要です。

リスク許容度から資産運用方法を考えることも大切

リスク許容度から資産運用方法を考えることも大切

資産運用の際は、リスクを軽減し将来残すお金が多くなるように運用方法を選択する必要があります。

FXには「少額ではじめられる」「24時間取引が可能」などのメリットがありますが、相場の急変動による損失があるのも理解しておきましょう。

FXでの取引で利益を出したい方は、少額ずつ取引をはじめ、慣れるのが重要です。

大きな損失を出したくない場合は投資信託がおすすめ

大きな損失を出したくない場合は投資信託がおすすめ

資産運用の一環として利用したい方で大きな損失を出したくない場合は、FX取引ではなく、投資信託がおすすめです。

投資信託にはレバレッジ制度がなく、大きな利益は見込めません。

しかし、投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが運用をしてくれるため、リスクを抑えて利益が得られます。

比較的安定した利益が得られるため、資産運用をはじめたばかりの投資初心者でも安心して任せられるのが特徴です。

記事のまとめ

この記事では、FXのメリットとデメリット、資産運用に適しているかを解説しました。

FX取引は、最大25倍のレバレッジがかけられる取引のため、大きな利益を得られる可能性があります。

一方で、相場の急変動があった場合短期間で大きな損失が出る取引でもあるため、ハイリスクハイリターンといえるでしょう。

FX取引を資産運用に活用するのが向いている方は、投資上級者や少ない資金で取引を行いたい投資家です。

大きな損失を出すことなく、資産運用をしたい方は安定した利益が得られる投資信託の利用をおすすめします。

監修者プロフィール
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。 個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動。 新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。 シニア層のお客様が多い中で資産運用だけでは本当の解決ができないと感じ、退職。 2020年、一般社団法人証券相続普及協会を設立。代表理事に就任。 終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、お客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
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