投資信託をクレジットカードで積み立てるメリットや、クレカ積立する際の注意点、投資信託のクレカ積立ができる証券会社一覧など
証券会社では投資信託の積立投資をする際、クレジットカードを利用できる場合があります。
クレカ決済で投資信託を購入することには複数のメリットがあるので、投資信託を積立投資をするならおすすめできる方法です。
ただし、投資信託をクレジットカードで購入する際には注意点も存在するので、それらを知ったうえでクレカ決済を利用する必要があります。
この記事では、投資信託をクレジットカードで積み立てるメリットや、クレカ積立する際の注意点、投資信託のクレカ積立ができる証券会社一覧などについてお伝えします。
また、2024年にスタートした新NISAが利用できるかについても触れています。
投資信託をクレジットカードで積み立てるメリット3つ
投資信託をクレジットカードで積み立てるメリットは以下の3つです。
- ポイントを貯められる
- 銀行振込の手間が省ける
- 少額投資が可能になる
それぞれについて詳しく解説します。
ポイントを貯められる
クレジットカードで積立投資する大きなメリットとして、ポイントが貯まる点を挙げられます。
現金で積立投資した場合は当然クレジットカードのポイントが貯まりませんが、クレジットカードを使えばポイントが貯まるのでお得だといえるでしょう。
どの程度のポイントが貯まるかは、証券会社とクレジットカードによって異なります。たとえば楽天証券では楽天カードで投資信託の積立投資を行うと、購入額の0.5%~1.0%のポイントが貯まります。
このように、ポイント還元率が高くなる証券会社とクレジットカードの組み合わせがあれば、有効活用するとよいでしょう。
引用元:クレカ積立(楽天カードクレジット決済) | 楽天証券
銀行振込の手間が省ける
クレジットカード決済をすると、銀行振込の手間が省けるのもメリットの一つです。
銀行振込で入金する場合、積立投資が行われる当日までに、事前に証券会社に振り込み入金しておく必要があります。
残高が不足すると買い付けが行われなくなるので、忘れずに事前に振り込む必要がありますが、毎回これを行うのが手間に感じる方は少なくありません。
一方、クレジットカード決済の場合は、毎回入金などの手続きが発生しないため、余計な手間をかけることなく積立投資を行えます。
少額投資が可能になる
クレジットカード決済をするメリットの1つに、少額投資が可能になることが挙げられます。
クレカ決済であれば、毎月100円などの少額から積立投資が可能になり、低リスクから投資信託への投資を始めたい方でも気軽にスタートできます。
資産運用には投資資金を失うリスクがあるため、なかなか投資信託を購入できない方もいるでしょう。
そんな場合でも、クレジットカードでの積立投資であれば、100円などの少額からスタートでき低いハードルで積立投資を始められます。
もちろん、月々100円の投資では大きな資産を形成するのは難しいですが、投資に慣れてきたタイミングで投資金額を増やせば問題はないでしょう。
新NISAでクレジットカードの積立可能!
2024年にスタートした新NISA口座を活用することで、クレジットカードでの積立投資が可能になりました。
一旦、投資信託をクレジットカード決済で購入すると、自動的に投資信託の買付が行われるため、完全放置での資産形成が可能になります。
銀行口座からの振り込みで投資する場合、証券会社の口座内資金が不足したらその都度手動で入金しなければいけませんが、クレジットカードを活用すればこの手間がなくなります。
投資信託への積立投資は、長期間にわたって一定金額を投資し続けることで、複利効果により資産形成を行う投資手法です。
そのため、完全放置できるクレジットカード決済との相性がよいといえます。
クレジットカード決済を活用すれば、入金処理をする時間の取れない忙しい方でも資産形成が可能になります。新NISAで積立投資を行う場合は、ぜひクレジットカード決済をするとよいでしょう。
投資信託の上限額は月10万円まで
クレジットカードで投資信託を積み立てる上限額は、現在は月10万円までとなっています。
以前は、投資信託の上限額が政府によって月額5万円までに制限されていました。
しかし、2024年3月8日(金)に内閣府令「金融商品取引業等に関する内閣府令」が改正され、上限額が月額10万円に引き上げられました。
これに伴い、SBI証券や楽天証券といった証券会社では、クレジットカードでの投資信託の積立金額の上限が、月額5万円から10万円に引き上げられています。
したがって、現在の環境ではクレジットカードで月額10万円まで積立投資できますが、証券会社によっては上限が月額5万円の可能性もあります。
上限金額が低いと計画通りの資産運用ができない恐れがあるので、投資する前に確認することをおすすめします。
引用元:クレジットカード積立上限額10万円への引き上げに伴う設定可能日・ポイント付与率について | SBI証券
楽天証券、投信積立「楽天カード」クレジット決済、月額上限を10万円に引上げ | 楽天カード
クレカ積立の注意点
クレカで投資信託に積立投資をする際には、以下の注意点に気を付ける必要があります。
- クレカ積立には上限金額が決まっている
- 買付日が固定される
- 利用できるクレジットカードが決まっている
それぞれの内容を詳しく解説します。
クレカ積立には上限金額が決まっている
クレカ積立には月額10万円という上限が決まっています。過剰な投資によって投資家が資金を失うことのないよう、政府によって上限が定められているためです。
毎月20万円や30万円などの金額を投資したい場合、クレジットカードでの決済はできないため、銀行振り込みで対応する必要があります。
買付日が固定される
クレジットカードでの積立投資をする場合、投資信託の買付日は証券会社のルールによって固定となります。
そのため、投資信託の価格変動を見ながら、安くなったタイミングで購入するなどの対応はできません。
細かい値動きはそれほど気にしない方にとっては特に問題ないでしょうが、購入タイミングを自分で決めたい方にとっては、大きなデメリットになる可能性があります。
利用できるクレジットカードが決まっている
クレジットカードでの積立投資をする場合、利用する証券会社によって決済に使えるカードの種類は決まっています。
たとえば、SBI証券では積立投資できるのは三井住友カードのみで、それ以外のクレジットカードは利用できません。
したがって、利用中のクレジットカードの種類によっては、積立投資に利用できない可能性があります。
この場合、証券会社が指定するクレジットカードを新規発行する必要があり、手間がかかることを理解しておく必要があります。
また、信用情報や他社借入の関係で新規のクレジットカードを発行するのが難しい場合、カードでの積立投資ができない場合も考えられます。
クレジットカードで投資信託の積立ができる証券会社一覧
クレジットカードでの投資信託の積立投資ができる証券会社は以下のとおりです。
- SBI証券
- 楽天証券
- auカブコム証券
- マネックス証券
- PayPay証券
- 大和コネクト証券
- セゾンポケット
証券会社によって利用できるクレジットカードの種類も決まっているので、併せて解説します。
SBI証券
SBI証券では三井住友カードで、投資信託の積立投資が可能です。約2,600本の投資信託から好きな投資信託を選び、クレカ積立できます。
毎月100円~10万円の範囲で好きな金額を投資できるので、気軽に投資を始めたい場合から本格的に資産形成したい方まで幅広くクレカ積立での資産運用できます。
2024年現在キャンペーン※1が開催されており、最大で積立額の5%のVポイントがもらえます。
※1 2024年10月買付分まで(予定)
引用元:クレカ積立 | SBI証券
引用元:クレカで資産運用できる! | 三井住友カード×SBI証券
楽天証券
楽天証券では、楽天カードを利用してクレジットカード決済による積立投資が可能です。
ポイント還元率は0.5%~1.0%で、楽天カードの種類によって以下のように異なります。
- 楽天プレミアムカード:1.0%
- 楽天ゴールドカード:0.75%
- 楽天カード:0.5%
獲得した楽天ポイントは、楽天グループでの決済の際に日本円と同様に利用できます。
楽天カードを保有している方や、楽天グループのサービスを頻繁に利用する場合は、楽天証券でクレジットカード積立を活用するのも一つの選択肢です。
引用元:クレジットカードで毎月10万円まで投信積立が可能になります | 楽天証券
引用元:クレカ積立(楽天カードクレジット決済) | 楽天証券
auカブコム証券
auカブコム証券では、auPAYカードでの積立投資が可能です。
auカブコム証券のクレカ積立はポイント還元率の高さが特徴です。
基本のポイント還元率が1%と高額で、条件を満たせば還元率が最大3%になります。
貯めるポイントはPontaポイントなので、ホットペッパービューティーやホットペッパーグルメでの決済や、ローソンやケンタッキーでの買い物などに利用できます。
ポイント還元率の高さを重視するのであれば、auカブコム証券とau Payカードの組み合わせで投資信託への投資をスタートするのもよいでしょう。
引用元:auPAYカード決済による投資信託の積立 | auカブコム証券
auPAYカード決済による投資信託の積立 | auカブコム証券
Pontaとは? | PointaWeb
マネックス証券
マネックス証券ではマネックスカードを使った、クレカ積立が可能です。
ポイント還元率は0.2%~1.1%で、以下のように積立金額によって段階的に変化するルールになっています。
積立金額 | ポイント還元率 |
---|---|
5万円以下 | 1.1% |
5万円超過~7万円以下 | 0.6% |
7万円超過~10万円以下 | 0.2% |
たとえば、積立金額が毎月10万円であれば、5万円分は550pt、5~7万円は120pt、7~10万円は60ptの合計730ptの毎月マネックスポイントが付与されます。
マネックスポイントは、株式手数料への充当や暗号資産などに交換できるほか、AmazonギフトカードやTポイントにも交換できます。
引用元:【マネックスカードクレカ積立】積立上限額(10万円)拡大のお知らせ | マネックス証券
引用元:マネックス証券 | マネックス
PayPay証券
PayPay証券では、「PayPayカード」もしくは「PayPayカードゴールド」でのクレカ積立に対応しています。
クレカ積立をする際は、PayPayアプリにクレジットカードを登録し、投資信託のつみたて設定を行います。手順は非常にシンプルで、かんたんな手順のみで積立投資の設定が完了します。
ポイント還元率は0.7%で、付与金額の上限が1か月で350ポイントです。
受け取れるポイントはPayPayポイントで、買い物などに使えるほか、投資信託への投資にも使えます。
資産形成を優先したい場合は、投資信託の購入にポイントを使うことで、資産をより効果的に増やせるでしょう。
引用元:「PayPay資産運用」で「クレジットつみたて」の上限金額を10万円に引き上げ | PayPay
引用元: PayPayポイントを「使う」 | PayPay
引用元:ポイント投資 | PayPay証券
大和コネクト証券
大和コネクト証券では、セゾンカードまたはUCカードを使った、クレジットカード決済で投資信託の積立投資ができます。
ポイント還元率は0.1%~1.0%で、具体的には以下のとおりです。
- SAISON CARD Digital:0.1~0.5%相当
- 対象のセゾンのプラチナカード:1.0%相当
- 対象のセゾン・UCのゴールドカード:0.5%相当
- その他のセゾン・UCカード:0.1~0.5%相当
獲得できるポイントはセゾンの「永久不滅ポイント」です。
大和コネクト証券では、51銘柄の投資信託がクレカ積立の対象になっており、様々な賞を最優秀・優秀賞を受賞した銘柄も含まれています。
セゾンカードもしくはUCカードを保有している場合は、大和コネクト証券を利用するのもおすすめできる選択です。
引用元:クレカ積立 | 大和コネクト証券
セゾンポケット
セゾンポケットは、セゾンカードまたはUCカードで、投資信託の積立投資ができるサービスです。
セゾンカード会員情報を使用するため、簡単な質問への回答と、マイナンバーカードまたは本人確認書類を提出するだけで、サービスを利用開始できます。
積立投資によってセゾンの「永久不滅ポイント」が0.5%貯まり、商品やほかのポイントと交換できます。
他の証券会社とは違い、初心者にとって使いやすいようにデザインされているので、セゾンカードもしくはUCカードユーザーの方は、セゾンポケットを利用するのもいいでしょう。
引用元:永久不滅ポイント | セゾンカード
引用元:セゾンポケット
記事まとめ
投資信託をクレジットカード決済で積み立てることには、以下のメリットがあります。
- ポイントが貯まる
- 少額から投資を始められる
- 完全放置で資産形成できる
- NISA口座でもクレカ積立できる
ただし、投資信託のクレジットカード積立には以下のような注意点もあります。
- 証券会社ごとに使えるクレジットカードが決まっている
- 積立金額が毎月10万円までという上限がある
メリットと注意点を両方把握したうえで、クレジットカードで投資信託で買い付けるかどうか決めるのが大切です。
現在、多くの証券会社がクレジットカードでの積立投資に対応しています。各社でポイント還元率や利用できるカードが異なるため、自分に合った証券会社を選択するとよいでしょう。