インデックス型投資信託とは?アクティブ型やNISAとの違い、世界のおすすめ銘柄を比較
投資信託は、少額で始めることができ、分散投資によってリスクも抑えられることから初心者にもおすすめの金融商品になっています。
その中でも更に人気なのが、インデックス型投資信託(インデックスファンド)です。
しかし、インデックスファンドとはどういう投資信託なのか、他の投資信託とどう違うのか理解している人が少ないように見受けられます。
本記事では、インデックス型投資信託とはなにか、アクディブ型投資信託との違いやメリット・デメリット、おすすめの投資信託について解説します。
また、あなたに最適な投資信託を選ぶための判断基準についても詳しくご紹介しているので、これからインデックス型投資信託の運用を検討している方の一助になれましたら幸いです。
インデックスファンドとは?
早速インデックス型投資信託(インデックスファンド)とは何か解説していきます。
一言でいうと、インデックスファンドとはインデックス投資を活用した投資信託になります。
このインデックス投資とは、特定の市場指数やセクターの値動きを示す指数(=インデックス)の動きに連動させることを目標とした投資の仕方です。
ファンド内の銘柄構成は、対応する指数とできるだけ一致させます。
例えば、投資信託を毎月1万円投資し続けると、値が高いときは量を少なく、値が安い時は量を多く買い付けることができます。
アクティブファンドとの違い
対照的に、アクティブファンドはファンドマネージャーが市場分析と銘柄選択に積極的に関与します。
アクティブファンドの目標は、市場を上回るリターンを生み出すことで、ファンドマネージャーは銘柄の購入と売却のタイミングを調整してくれるのです。
しかし、アクティブファンドは運用コストが高く、一部のファンドがインデックスを上回ることに成功するものの、全体的な結果は一定ではありません。
ハイリスクを取ってこそのハイリッターンということですね。
NISAとの違い
人によってNISAについて、勘違いしている方も多々いるので、解説します。
NISA(Nippon Individual Savings Account)は、日本国内で提供される特別な節税制度です。
NISAを利用すると、特定の金額までの投資利益が非課税となり、投資家にとって税金の負担が軽減されます。
インデックスファンドやアクティブファンドのどちらもNISAの対象となります。
つまり、NISAは節税のための枠組みであり、投資信託のような金融商品とは異なります。
投資家はNISAを通じてインデックスファンドを選択し、税金面での利益を享受することができるのです。
インデックスファンドの主な種類
インデックス型投資信託には主に、以下のような種類が存在します。
種類 | インデックス | 構成 |
---|---|---|
株式 | S&P 500インデックスファンド | アメリカのS&P 500指数に連動するファンドで、米国株式市場全体を代表 |
日経225インデックスファンド | 日本の日経225指数に連動し、日本の大手株式銘柄をカバー | |
国際株式 | MSCI World Indexファンド | 世界の主要な株式市場に分散投資するファンドで、国際的なリスク分散を提供 |
FTSE Emerging Markets Indexファンド | 新興国市場に焦点を当て、新興国の株式に投資するファンド | |
債券 | バーチャル・アグリゲート・ボンド・インデックスファンド | 米国債券市場を代表するアグリゲート・ボンド・インデックスに連動するファンドで、安定した収益を提供 |
iBoxx Euro Corporate Bond Indexファンド | ユーロ圏の企業債券市場に投資し、企業債券に関心のある投資家向け | |
セクター | テクノロジーセクターインデックスファンド | テクノロジー関連の銘柄に焦点を当て、テクノロジー業界への投資を可能に |
ヘルスケアセクターインデックスファンド | ヘルスケア関連の銘柄に投資し、ヘルスケアセクターへのアクセスを提供 | |
不動産投資信託(REITs) | 不動産投資信託インデックスファンド | 不動産市場に投資し、不動産に関心のある投資家にリスク分散の機会を提供 |
これらは一部のインデックスファンドの例です。
あなたの目標やリスク許容度によって、さまざまなインデックスファンドから選択できます。
インデックスファンドは市場全体や特定のセクターに分散投資する手段として非常に便利なだけでなく、低コストでも運用されるため多くの投資家に支持されています。
インデックス型投資信託を運用するメリット
続いて、インデックス型投資信託を運用するメリットは以下の3つ存在します。
値動きがわかりやすい
前述の通り、インデックス型投資信託は、特定の市場指数やセクターを追跡するため、そのパフォーマンスは対応する指数と密接に関連しています。
このため、投資家はファンドの値動きをわかりやすく追跡できます。
市場の動向を理解し、ポートフォリオのパフォーマンスを評価するのが容易で、不透明さが少ないという利点があります。
信託報酬などの運用コストが低く継続しやすい
インデックス型投資信託の2つ目のメリットは、アクティブファンドに比べて運用コストが低い点が挙げられます。
これは、ファンドマネージャーが市場を常に監視し銘柄選択を行う必要がないためです。
信託報酬や手数料が低いと運用コストを最小限に抑えらるので、長期的な利益が得やすくなります。
簡単に分散投資ができる
インデックス型投資信託は、ファンド内で多くの異なる銘柄や資産クラスに分散投資することを可能にします。
これにより、投資家はリスクを分散し、単一の銘柄やセクターに依存しないポートフォリオを構築できます。
分散投資はリスク管理に役立ち、市場の変動に強く対応できるため、低リスクで運用したい方におすすめです。
インデックス型投資信託を運用するデメリット
このように多くのメリットを持つインデックス型投資信託ですが、以下のようなデメリットが存在することを忘れないようにしましょう。
インデックス以上のリターンは望めない
インデックス型投資信託は、特定の市場指数に連動するため、その指数のパフォーマンスを追いかけることが主な目的です。
値動きがわかりやすい反面、ファンドのポートフォリオは指数とほぼ同じ銘柄構成となり、指数を上回るリターンを期待することは難しいこともあります。
アクティブファンドのように運用チームが銘柄選択に積極的に介入しないためです。
元本割れの可能性がある
インデックス型投資信託のポートフォリオは市場指数に連動しており、市場全体の変動に影響を受けるというデメリットが。
もし市場が下落した場合、投資元本が減少する可能性があるのです。
特に短期間での価格変動は大きく、元本割れが起きるリスクも高まります。
長期的な視野で投資することが重要ですが、投資家は元本保証がないことを理解する必要があります。
短期間ではリターンが得られない可能性が高い
インデックス型投資信託は、中長期の投資を想定して設計されています。
つまり、短期間でのリターンが得られない可能性が高いのです。
市場が安定しない期間や一時的な下落があった場合、投資家は焦らずにポートフォリオを保有し続ける必要があります。
短期間の売買では手数料やキャピタルゲイン税の損失が発生し、長期的な投資戦略から逸脱することがあるため、慎重に運用計画を立てることが重要です。
世界のおすすめ銘柄を比較
続いて、世界のおすすめ銘柄を見ていきましょう。
以下、現時点(2024年1月)で人気な投資信託TOP5を比較しました。
順位 | ファンド名 | リターン(1年) | 純資産額 | 運用会社 | 販売会社数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 30.42% | 2兆788億円 | 三菱UFJ | 43社 |
2 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 34.63% | 3兆2,364億円 | 三菱UFJ | 45社 |
3 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 110.14% | 604億6,100万円 | 大和 | 23社 |
4 | iFree S&P500インデックス | 34.48% | 1,503億8,300万円 | 大和 | 110社 |
5 | たわらノーロード先進国株式 | 32.48% | 4,415億7,800万円 | AMーOne | 90社 |
1位の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は、名前の通り全世界の株式、日本を含む先進国および新興国の株式等に投資を行い、対象インデックスに連動する投資成果を目指して運用されえいる投資信託です。
色々な国に分散投資したいと考えている人におすすめのインデックス型投資信託になります。
また、どの投資信託も3年のリターンが17~24%なので、利益も期待できる投資信託ばかりです。
あなたに最適な投資信託の選び方
世界のおすすめ銘柄を5選ご紹介いたしましたが、上記全てのファンドがあなたに最適な投資信託とは限りません。
以下、最適な投資信託を選ぶ際に重要な判断基準を3つご紹介します。
どの市場指数に連動したファンドが良いか
適切なインデックス型投資信託を選ぶ最初のステップは、どの市場指数に連動したファンドを選ぶかを決定することです。
異なる指数に連動するファンドは、異なる市場セクターや地域に焦点を当てており、それぞれ異なるリスクとリターンの特性を持っています。
投資目標やリスク許容度に合った指数を選びましょう。
たとえば、米国株式市場に投資したい場合、S&P 500指数に連動したファンドを選択することができます。
一方で、国際的な分散投資を希望する場合には、MSCI ACWI ex U.S.などの国際指数に連動するファンドを選ぶことが適切です。
選択した指数によって、ポートフォリオのリスクとリターンが大きく影響されるため、注意深く検討しましょう。
ファンドの運用コストや手数料を比較
次にインデックス型投資信託の選択において非常に重要な要素は、ファンドの費用と手数料です。
インデックス型投資信託は一般的に低コストで運用されるため、高い運用コストや手数料を支払う必要はありません。
しかし、ファンドごとに費用率や手数料が異なることがあります。
投資対象とするインデックスが同じであれば、費用と手数料が低いファンドを選ぶことが合理的です。
低い費用率は、長期的なリターンを最大化するのに役立ちます。
費用と手数料は積み重なり、数年間や数十年間で大きな差を生むことがあるため、しっかり比較したいところです。
信頼性のある提供者か確認
最後に、信頼性のある提供者からインデックス型投資信託を選ぶことは非常に重要です。
信頼性のある提供者は、ファンドの適切な運用、資産の保全、情報の透明性を確保します。
これにより、投資家はファンドの安定性と信頼性を享受できます。
一般的には、大手金融機関や長い実績を持つファンドプロバイダーから提供されるファンドを選ぶことが安心でしょう。
信頼性のある提供者は、規制当局の監視を受けており、適切な政府と取引実行を確保しています。
また、提供者の評判や過去のファンドのパフォーマンスも考慮に入れるべきです。
信頼性のある提供者から提供されるインデックス型投資信託かどうかは、投資の安全性を確保するうえで大切な判断基準になります。
記事まとめ
本記事では、投資信託の1種であるインデックスファンドについて解説しました。
インデックスファンドは、指数の動きに連動するように運用されているため、アクティブファンドと比較して低リスクなファンドといえます。
その特徴から、値動きがわかりやすいだけでなく運用コストも抑えやすいといったメリットが存在します。
ただし、インデックス以上のリターンを望むことは難しく、短期間ではリターンを得られない場合もあるため、長期投資をしたい方におすすめの投資信託です。
おすすめのファンドに合わせて、最適な投資信託の選び方についても解説したので、ぜひ参考にしてみてください。