利回りの計算方法や投資信託の運用で知っておきたいあれこれを解説!
こんにちは。
積立NISAを活用して投資信託を始めたいと思っているのですが、ファンドの選び方がいまいち分かりません・・・
こんにちは。
資産運用アドバイザーのRです。
具体的にどのようなことが分からないのですか?
例えば、投資ってよく利回りを重視するべきっていうじゃないですか。
投資信託の場合だとどのように確認してよいか分からなくて・・・
なるほど。
利回りは確かに投資信託の運用パフォーマンスを示す指標として大事ですね。
本記事では、投資信託における利回りの確認・計算方法や、運用の目安となる平均利回りについて解説します。
よろしくお願いします!
投資信託の利回りとは?
そもそも、利回りとは一体何でしょうか?
利回りとは、投資信託を購入した金額に対して、どのくらいの利益が得られたかという割合のことを指します。
投資信託の利益は、収益からコストを差し引いて計算がされます。
投資信託から得られる収益
投資信託は、株式や債券などの様々な金融商品に分散投資する金融商品です。
これらを運用すると、主に以下の2つの方法から収益を得ることができます。
なるほど。投資信託の収益は2つあるんですね。
この分配金は必ず支給されるのですか?
いいえ。必ず支給されるというわけではなく、「分配金あり」と「分配金なし」のタイプに分かれています。
「分配金なし」のファンドを運用するメリットってあるのですか?
分配金があった方が嬉しい気もするけど・・・
運用益を分配せずに再投資することで、運用に充てられる資産が増えるため、複利的な効果が期待できるというメリットがあります。
運用期間が長くなるほど複利効果は高まるので、積立投資など長期的な資産形成を考えている方にはおすすめの運用タイプといえるでしょう。
「分配金あり」は定期的に利益確保ができるから、使い分けが大事ということですね!
投資信託での支出
投資信託にかかるコストとはどのようなものがあるのでしょうか?
主に税金と、運用会社等に支払う手数料です。
手数料にはどんなものがあるのですか?
手数料としては主に以下のようなものが挙げられます。
購入時手数料 | 投資信託の購入時に販売会社に支払う手数料。基準価額の1%~3%程度が目安 |
---|---|
信託報酬 | 投資信託の運用会社に支払う報酬。投資信託の年間運用コストの約半分を占める場合が多い |
監査報酬 | 投資信託の監査を行う監査法人に支払う報酬 |
売却時手数料 | 投資信託の売却時に販売会社に支払う手数料。購入時手数料よりも安く設定されることが多い |
信託財産留保額 | 投資信託の売却時に販売会社に支払う手数料。ファンドの財産に組み込まれる |
手数料はけっこうかかりそうですね・・・
ノーロードファンドと呼ばれる購入時手数料が無料の投信商品や、信託報酬が低く設定されているファンドもあるため、それらを選べばコストを抑えることは可能です。
しかし、手数料が高いことが一概に悪いこととも言えないので、自身の運用方針や目標に合わせてファンド選びをすることがポイントです。
税金は、上限はありますが投資信託をNISA口座で運用することで非課税対象となるので、ぜひ活用することをおすすめします。
利回りの計算方法
利回りの計算は具体的にどうやって算出するのですか?
利回りの計算方法は以下の通りとなります。
投資信託の利回りの計算式
利回りは、運用で得られた分配金と売却益の合計額を、投資期間と投資金額で割って計算します。
具体的な計算例
以下の条件の場合、具体的な計算を考えてみましょう。
- Aファンド(分配金あり・基準価額10,000円)を100万円で購入し1年間運用
- 分配金:40,000円
- 売却時の基準価額:10,700円
- 手数料総額:10,000円
計算式に当てはめると以下の通りです。
利回り = (40,000円 + 70,000円) – (10,000円) ÷ 100万円 ÷ 1年間 × 100
上記のケースだと、分配金が4万円、運用益が7万円得られるため、収益は11万円です。
コストとして手数料が10,000円かかっているため、利益は10万円となります。
よって、1年間の利回りは10%と計算されました。
計算式に当てはめて考えたらわかりやすいですね!
利回り?利率?騰落率?それぞれの違いとは
利回りと似た言葉で利率とか、騰落率とかありますが何か違いはあるのでしょうか?
すべてお金の増える割合を表すものとして関連する用語ですが、いくつか違いがあります。
どんな違いがあるのでしょう?
まずは、それぞれの定義について紹介しますね。
項目 | 計算方法 | 考慮要素 | 用途 | 例 |
---|---|---|---|---|
利回り | (分配金 + 売却益) ÷ 投資金額 ÷ 投資期間 × 100 | 金利、価格変動、分配金など | 運用成果比較 | 100万円を投資し、1年後に110万円になった場合:10% |
利率 | 元本 × 金利 ÷ 期間 | 金利のみ | 金利水準比較 | 年利5%で100万円を1年間預けた場合:5% |
騰落率 | (現在価格 – 購入価格) ÷ 購入価格 × 100 | 価格変動 | 値動き比較 | 1万円で購入した株が1年後に1万2千円になった場合:20% |
利回りと騰落率の違いですが、利回りは分配金含むそのファンド全体のパフォーマンスを表す指標に対して、騰落率は、そのファンドの価格変動のみを表す指標です。
利率は債券や預金に対して使われる用語であり、投資信託においては一般的に使われません。
もし、投資信託で利率という言葉が使われていた場合は、「分配金」のことだと想定しておきましょう。
投資信託の運用パフォーマンスの目安はどれくらい?
ここまで、投資信託の利回りの計算方法について紹介しましたが、理解できたでしょうか?
計算方法は分かりました!けれど・・・
実際にどれくらいの利回りが計算できれば運用成績が良いのでしょうか?
運用する期間にもよりますが、3年間運用し続けた場合の平均利回りは3~10%程度です。
したがって、5%の利回りで運用できれば運用パフォーマンスは良いと言えます。
なるほど。
どんなファンドがおすすめですか?
1年間など短期間で大きな成果を上げたい場合はアクティブファンドを、長期的な運用で資産形成をしたい場合はインデックスファンドがおすすめです。
アクティブファンド・・・?インデックスファンド・・・?
それではアクティブファンドとインデックスファンドも説明しますね。
アクティブファンドとは【短期間の運用におすすめ】
アクティブファンドとは、日経平均株価などのベンチマークと呼ばれる指標を上回る運用成績を目指す投資信託です。
ファンドマネージャーと呼ばれる運用担当者が独自の判断に基づいて運用を行うため、運用成績は彼らの力量に左右されます。
運用会社にも注意しなきゃいけないのですね。
そうですね。
またアクティブファンドはリターンも大きい分、手数料などの運用コストや、元本割れのリスクも高くなっています。
アクティブファンドは以下の商品が高い運用成績を上げています。
ファンド名 | 運用会社 | 利回り(直近3年) | 信託報酬(年率) |
---|---|---|---|
日経平均高配当利回り株ファンド | 三菱UFJ三菱アセットマネジメント | 33.11% | 0.693% |
iFreeNEXT FANG+インデックス | 大和アセットマネジメント | 30.65% | 0.7755% |
たわらノーロードNYダウ | アセットマネジメントONE | 20.35% | 0.2475% |
インデックスファンドとは【長期的な資産形成におすすめ】
インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIXなどのベンチマークと呼ばれる指標の動きに連動するように運用される投資信託です。
インデックスファンドは、市場全体の動きに連動するため、個別の銘柄に投資するアクティブファンドよりもリスクが比較的低い傾向があります。
また、信託報酬などの手数料が低いため、資産を効率的に運用できることが特徴です。
インデックスファンドにはどんなデメリットがあるんですか?
一つはベンチマークを上回る可能性が低い点です。
ベンチマークに連動するように計算されているため、大きな運用成績を目指すことは難しいでしょう。
一方で、日経平均やNYダウ株価は上昇し続けており、これらをベンチマークにしているインデックスファンドは高い運用効果を見込める可能性が高いと言えます。
長期的に保有し続けることが大事なんですね!
その通りです。
おすすめのインデックスファンドには以下のようなものが挙げられます。
ファンド名 | 運用会社 | 利回り(直近3年) | 信託報酬(年率) |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 三菱UFJ三菱アセットマネジメント | 40.26% | 0.09372% |
たわらノーロード先進国株式 | アセットマネジメントONE | 36.20% | 0.09889% |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | SBIアセットマネジメント | 40.19% | 0.0938% |
記事のまとめ:計算方法を理解して効率的な資産運用を
本記事では投資信託のファンドにおける利回りの計算方法や、利回りに関連する用語について解説しました。
本記事の内容をおさらいしましょう。
投資信託の利回り平均は3~10%のため5%程度の利回りで良い運用成績であると言えます。
投資信託はあくまでも金融商品のため、購入する前にしっかりシミュレーションを行い後悔のない資産運用をしましょう。
利回りの計算や投資信託商品の選び方に迷う場合は、FPやIFAなどの「資産運用のプロ」に相談することもおすすめですよ。
(オンライン相談もOK)