毎月何日に積み立てたら良い?投資信託の効果を最大化するコツをご紹介
岸田政権下では2023年を「資産所得倍増元年」と位置付け、国民の意識を貯蓄から投資にシフトさせるための方針が策定されました。
それに伴い2024年より新NISAの制度がスタートし、株式投資における規制緩和がなされるなど、株式投資をはじめとする資産運用を始めやすい土壌が整備されています。
中でも、投資のプロに運用を任せることができる投資信託は人気の資産運用であり、多くの投資信託商品が販売されています。
本記事では、積立投資を始める場合のおすすめの購入日や、投資信託を始める上で重要なポイントについて解説していきます。
【結論】投資信託の購入日はいつでもOK
株式や投資信託商品を毎月一定額を購入するスタイルである積立投資ですが、購入日によってそのパフォーマンスに影響が出るのでしょうか。
結論から言うと、購入日はあまり意識しなくても問題ないです。
その理由は、長期的に運用することを前提とすると積立の購入日による利益の差はほとんどないと言って良いからです。
キリの良い日は株価が上がりやすい?
株式投資の定説に「月初の株高」と呼ばれるものがあります。
月初の株高とは、株式市場において毎月第1営業日の株価が上昇しやすいことを指します。
実際に、2016年7月から2018年2月までの20ヶ月に渡り、日経平均株価は毎月上昇を続けたことにより投資家の間で大きく話題となりました。
この要因として、投資信託の購入日を1日や第一営業日などキリの良い日に設定して積立投資を行なっている個人投資家が最も多いことが考えられます。
この月初に投資信託の積立を行うのは不利になってしまうかと思いますが、
情勢の変化や景気の変動により、中途半端な日にちに購入日を設定しても株価が不安定になることはよくあります。
したがって、長期的に見ると購入日による運用成績の影響は少ないと言えます。
月曜日は買わない方が良い?曜日効果とは
月曜日は他の曜日と比較して日本株の上昇率がマイナスになりやすいことを「曜日効果」と言います。
つまり、月曜日の株式は割安で購入できるため積立投資の購入日も月曜日に設定した方が良いと思われがちですが、「月初の株高」と同じように株価の変動は突然現れることもあります。
したがって、積立投資を行う場合、曜日効果におけるリターンの影響は少ないと言って良いでしょう。
最適なリターンを求めて積立日にこだわるよりも、無理なく投資信託を続けられる購入日を設定することがおすすめです(例えば給料日など)。
投資信託の購入頻度はどうする?おすすめの買い方
前章では、投資信託商品の積立における購入日によってリターンへの影響は少ないことを解説しました。
続いて、投資信託の積立頻度についても見ていきましょう。
積立投資では証券会社によって異なりますが、予算を設定しそれに合わせて積立の頻度を変更することが可能です。
一般的に投資信託の積立における購入頻度は毎月1回が多いですが、同じ金額を毎日に分けて投資する場合とではどちらが効率が良いのでしょうか。
結論としては、毎日積立投資を行う方が若干ですが収益率が高いと言えます。
もちろん、検証期間による株価の変動やファンドによっても差が生じてきますが、こちらもリターンに大きな影響はありません。
投資信託の積立投資を行うメリットは、ドルコスト平均法が適用されるため高値掴みのリスクを軽減するというものです。
ドルコスト平均法とは定期的な購入日を定め、投資商品の価格の変動に関係なく一定の金額を投資することで、そのファンドを平均的な値段で買うことができるという投資スタイルです。
したがって、毎日積立投資を行う方がドルコスト平均法の効果が高くなるため、長期的な運用においてはリターンが高くなる可能性があります。
しかし積立頻度においても抜群の効果があるとは言えないため、無理なく投資信託を続けられる購入日を設定することに重きを置きましょう。
投資信託の購入日や頻度より重要なポイントを解説
投資信託を始める上で購入日や購入頻度を意識することは、自身の財産を管理するというマネーリテラシーを高めるという観点では重要なことかもしれませんが、考え方や心構えとしてより大事にすべきことがあります。
本章では、投資信託を続ける上で重要視すべきポイントを2点お伝えします。
長期投資での運用を意識する
投信での積立投資を行う上で最も重要なのが毎月1回など長期的な視野で資産運用を心掛けるということです。
長期投資のメリットには以下のようなものがあります。
- 複利効果の恩恵を受けやすい
- 時間と手間の節約
- 売買コストの削減
1.複利効果の恩恵を受けやすい
投資信託における長期投資では、ファンドが成長するとその成長分が元本として追加されます。
言い換えると、雪だるま式に利子がつくような状態です。
したがって時間をかければかけるほど投資元本がどんどん成長する可能性が高いため、複利の効果は加速していきます。
2.時間と手間の節約
投資信託の長期投資では、市場の動向を常に監視する必要がありません。
購入日を機械的に設定することで市場の短期的な変動に一喜一憂することなく投資を行うことができます。
しかし、再評価を行うことは大事ですので対象の投資信託商品を毎月1回程度の情報収集を行うなど、放ったらかしにすることはやめておきましょう。
3.売買コストの削減
投資信託商品では、売却時に手数料を取られるファンドがあります。
短期投資を繰り返す場合だと、その手数料の利率は無視できないものになりますが、長期投資の場合、定期的な購入日を設定し取引を行う回数も少なくなるため、余分な手数料を支払う必要がなくなります。
したがって、定期的な購入日を設定する長期運用においては、効率的に投資信託の運用を行うことが可能だと言えます。
購入日よりもファンド選びが大事
投資信託の運用方法には、「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2種類があります。
インデックス運用とは、株価指数等に関連するベンチマークに連動した運用成績を目指すものであり、ベンチマークにはよく日経平均株価やS&P500などが採用されます。
一方でアクティブ運用とは、上述したベンチマーク以上の運用成績を目指すものです。
インデックス運用では、手数料や運用コストを安価で抑えつつ、幅広い銘柄に分散投資を行うことが可能です。
したがって、長期的に見ると資産の元本割れを引き起こすリスクを軽減することができます。
アクティブ運用は高いリターンが期待できる反面、運用コストが割高になるといったデメリットも存在します。
インデックス運用とアクティブ運用の比較は以下の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
インデックス運用 | ・手数料や運用コストが低い ・値動きがわかりやすい ・大きな損失を被るリスクが低い |
・短期的なハイリターンを見込めない |
アクティブ運用 | ・高いリターンが期待できる ・将来性の高いファンドが多い |
・手数料や運用コストが高い ・元本割れの可能性がある |
投資信託においてインデックス運用か、アクティブ運用のどちらがおすすめかとは一概に言えません。
なぜなら双方に一長一短があるため、自身の投資スタイルや考え方によって何を優先すべきかは変わってくるからです。
したがって、投資信託を始めるにあたり目的を明確にした上でファンド選びをすることをおすすめします。
【つみたてNISA】おすすめの証券会社を紹介
冒頭でも述べた通り、2024年より新NISAがスタートし、この緩和では様々な規制が取り払われ、個人投資家の投資促進が期待されています。
本章ではNISA制度の概要と、NISA口座を開設にあたっておすすめの証券会社を紹介します。
新NISA制度の変更点について
新NISAの変更点および詳細は以下のとおりです。
- 非課税保有期間の無期限化
- NISA口座開設期間の恒久化
- 非課税保有限度額の拡大
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に
新NISAつみたて投資枠 | 新NISA成長投資枠 | |
---|---|---|
口座開設期間 | 恒久化 | |
非課税保有限度額 | 1,800万円 | 1,800万円(内数1,200万円) |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 無期限 | |
投資対象商品 | 金融庁の基準を満たした投資信託商品 | 上場株式・投資信託商品など |
NISA口座を活用するメリットはなんと言っても、配当や売却益といった運用益に対して課税がされないという点です。
通常の株式投資や投資信託では運用益に対して20.315%の税率が適用されますが、NISAにおいては非課税となるので利益をより最大化できます。
【つみたて投資枠】おすすめの証券会社
新NISAを活用して投資信託を始める上で注意したいのが口座開設についてです。
前提として、NISA口座は1人1口座しか保有することができません。
さらに、年に1度でもNISA口座で商品の購入を行なった場合、その年はNISA口座の変更はできないため、慎重に金融機関の選定を行う必要があります。
NISA口座の開設はネット証券がおすすめ
NISA口座を開設できる金融機関といえば、銀行、対面式の証券会社やネット証券会社などいくつかありますが、投資信託を始めるにはネット証券会社でNISA口座を開設することがおすすめです。
その理由としては、つみたて投資枠に採用されている投資信託商品の取扱本数が圧倒的にネット証券が多いからです。
例えば、世界的な金融グループである三菱UFJ銀行のつみたて投資枠の取扱銘本数は24本ですが、日本有数のネット証券会社である楽天証券では222本もの投資信託商品を取り扱っています。
また、ネット証券は他の金融会社と比較して少額から投資できる点や、手数料が割安に設定されていることが多い点、投資信託の購入日を自由に設定できる点が、他の金融機関より優位性があると言えます。
したがって、ネット証券を利用してNISA口座の開設をすることがおすすめです。
おすすめ証券会社3選
NISAのつみたて投資枠を活用する前提でおすすめの証券会社を3つ紹介します。
SBI証券は、2023年においてNISA口座開設数ランキングで1位となっており多くの個人投資家から支持されている証券会社の一つです。
SBI証券ではつみたて投資枠に該当する投資信託商品の取扱本数が224本(2024年4月現在)となっており、豊富なラインナップから自身の投資スタイルに合った投資信託商品を選ぶことができます。
また、クレジットカードでの積立も可能であり、投資した金額に応じてポイントが付与される点も魅力の一つであると言えます。
購入頻度においても毎日、毎週、毎月など自身の都合に合わせて設定可能です。
楽天証券もSBI証券と同様に、つみたて投資枠に該当する投資信託商品の取扱本数が222本(2024年4月現在)と多様なファンドから購入する投資信託商品を選べます。
さらに楽天証券では、NISA口座で購入した投資信託商品の買付・売却手数料が無料となっています。
NISA口座は非課税になるとはいえ、毎月積立投資を行う上で取引手数料はファンド選びの重要な要素となります。
したがってどの投資信託商品でも手数料が無料というのは大きなメリットであると言えるでしょう。
また、楽天証券でも残高等に応じてポイントが付与されます。
楽天は金融業以外にも、様々なサービスを展開しており、獲得したポイントは楽天グループの各サービスの買い物などに使用できます。
楽天経済圏で生活している方は楽天証券でNISA口座の開設をすることをおすすめします。
マネックス証券は株式会社NTTドコモの子会社であり、安定した基盤があります。
マネックス証券でNISA口座を開設するメリットは、クレジットカードで積立投資を行う際のポイント還元率の高さにあります。
マネックスカードで投資信託の積立を行うと1.1%ものポイント還元がされ、他の証券会社と比較しても高水準であると言えます。
また、マネックス証券は米国株の取引に強みを持っています。
マネックス証券の米国株式は取扱銘柄数が4,500本以上と豊富な上に、為替手数料も費用が発生しません。(2024年4月現在)
米国株に興味を持っており、関連した投資信託商品の購入を検討している方はマネックス証券でのNISA口座開設はおすすめです。
売上高や営業利益などの重要な業績過去10期以上に渡りグラフ表示することができる銘柄スカウターと呼ばれる分析ツールも使いやすく、投資信託商品を購入する上で参考材料となるでしょう。
記事のまとめ
本記事では、投資信託を始めるうえでおすすめの購入日や、NISA口座を開設する中でおすすめの証券会社について解説しました。
本記事ををまとめると以下のとおりです。
- 投資信託の購入日・頻度は気にせず無理なく続けられる運用法を選ぶ
- 長期投資を意識して、目的に沿ったファンド選びをする
- NISA口座の開設はネット証券がおすすめ
繰り返しになりますが、投資信託の運用は長期に渡り運用することでその効果を発揮することが多いです。
つまり毎月1回など頻度を定めて、一定額を投資し続けることが重要です。
NISAの制度についてもきちんと理解をし、自身の投資スタイルを明確にすることで、証券会社も選びやすくなります。
投資信託に興味を持った方は、ぜひ最新の情報をチェックしながら無理のない範囲で資産運用を検討してみてくださいね。